全国企業倒産状況

2008年度(平成20年度)上半期(4-9月) 全国企業倒産状況

倒産件数 7,863件
負債総額 8兆6,560億8,900万円
前年同期比(件数) +11.0%(前年同期7,081件)
前年同期比(負債) +190.3% (前年同期 2,980,974百万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

負債総額、年度上半期としては戦後2番目の8兆6,560億円

 2008年度上半期(4月〜9月)の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は7,863件、負債総額は8兆6,560億8,900万円となった。

 倒産件数は、前年同期比782件増、11.0%増。水準としては年度上半期戦後16番目ながら、年度上半期としては2005年(6,388件)を底にして3年連続前年同期を上回り増勢傾向が強まった

産業別件数では、建設業が年度上半期としては3年連続増加となり、また金融・不動産市場の悪化が影を落とす不動産業と、燃料高による収益圧迫で経営環境が厳しさを増す運輸業がともに前年同期比3割増となり件数を押し上げた。

 負債総額は、前年同期比5兆6,751億1,500万円増、190.3%増で年度上半期としては戦後2番目の水準となった。

増加要因では、戦後の大型倒産としては歴代2番目の規模となったリーマン・ブラザーズ証券(株)(東京都・負債3兆4,314億円・9月)の民事再生手続開始申し立てが影響した。同社と関連会社(3社)だけで負債総額全体の過半(構成比54.2%)を占めた。

産業別

倒産件数、10産業のうち9産業で前年同期比増加

 増加率は、不動産業が35.6%増(219→297件) 、運輸業30.1%増(232→302件)、情報通信業24.8%増(189→236件)、金融・保険業23.6%増(38→47件)、農・林・漁・鉱業20.0%増(35→42件)、建設業15.6%増(2,035→2,353件)、製造業9.1%増(1,044→1,140件)、サービス業他7.4%増(1,364→1,465件) 、卸売業7.0%増(1,019→1,091件)の順。

これに対して減少は、小売業の1.7%減(906→890件)だけだった。

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 42 18,690
建設業 2,353 715,807
製造業 1,140 449,636
卸売業 1,091 307,484
小売業 890 186,279
金融・保険業 47 4,929,960
不動産業 297 1,317,964
運輸業 302 79,584
情報通信業 236 148,940
サービス業他 1,465 501,745
合計 7,863 8,656,089

※業種分類のコード改訂(日本標準産業分類に基づく)に伴い、弊社データベースは2004年1月度より新業種分類に移行。このため、産業別分類は従来の9産業から10産業に変更している。各数値は新業種コードに基づく。

地区別

 倒産件数、9地区すべてで前年同期比増加

 増加率は、中国34.7%増(288→388件) 、東北24.3%増(382→475件)、北海道21.6%増(310→377件)、 関東15.8%増(2,397→2,776件)、北陸15.5%増(174→201件)、九州10.7%増(686→760件)、 四国7.1%増(209→224件)、 近畿1.3%増(1,878→1,904件)、中部0.1%増(757→758件)の順だった。

また都道府県別倒産件数では、前年同期を上回ったのが35都道府県、減少が11府県、同数が1県となった。

  • 北海道:件数が前年同期比21.6%増、負債は同27.9%増。
  • 東北:件数が前年同期比24.3%増、県別件数では、全県で前年同期比増加。
  • 関東:件数が前年同期比15.8%増。県別件数では、群馬を除いて前年同期比増加。東京の負債が年度上半期過去最高。
  • 中部北陸:中部の件数は前年同期比0.1%増、北陸は件数が同15.5%増。県別件数では、静岡、愛知、富山、石川で前年同期比増加。
  • 近畿:件数が前年同期比1.3%増。県別件数では、京都、和歌山で前年同期比増加。
  • 中国:件数が前年同期比34.7%増、負債が同192.5%増。県別件数では、全県で前年同期比増加。
  • 四国:件数が前年同期比7.1%増。県別件数では、高知を除いて前年同期比増加。
  • 九州:件数が前年同期比10.7%増、県別件数では、福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、沖縄で前年同期比増加。
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 377 114,543
東北 475 181,974
青森 73 30,287
岩手 62 38,979
宮城 93 24,205
秋田 69 29,297
山形 82 16,082
福島 96 43,125
関東 2,776 6,605,100
茨城 101 15,961
栃木 93 71,270
群馬 91 28,336
埼玉 282 56,659
千葉 199 46,564
東京 1,480 6,159,559
神奈川 363 184,935
新潟 104 25,214
山梨 63 16,602
中部 758 233,179
長野 81 22,840
岐阜 101 35,610
静岡 143 33,182
愛知 376 126,424
三重 57 15,123
北陸 201 113,166
富山 63 29,863
石川 72 65,974
福井 66 17,329
近畿 1,904 546,767
滋賀 84 26,177
京都 253 30,784
大阪 1,061 347,707
兵庫 341 111,325
奈良 93 17,906
和歌山 72 12,868
中国 388 395,100
鳥取 49 20,847
島根 42 11,399
岡山 97 18,450
広島 146 324,279
山口 54 20,125
四国 224 71,950
徳島 43 11,295
香川 60 17,893
愛媛 77 27,716
高知 44 15,046
九州 760 394,310
福岡 271 103,960
佐賀 54 8,953
長崎 90 27,189
熊本 90 33,171
大分 76 51,102
宮崎 55 62,777
鹿児島 73 41,509
沖縄 51 65,649
合計 7,863 8,656,089
  • ※地区の範囲は以下に定義している。
    関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)
    中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)
    北陸(富山、石川、福井)
    近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)
  • 上場企業倒産が前年同期比14件増の17件発生
  • 形態別:破産が年度上半期過去最多の4,691件
  • 従業員被害者数:前年同期比25.9%増の7万7,580人、年度上半期5年ぶりの7万人超え
  • 負債額別:100億円以上が前年同期比106.8%増の60件
  • 中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同期比10.6%増の7,796件
  • 原因別:販売不振が年度上半期としては5年ぶりに5,000件を上回る

当期の主な倒産

  • リーマン・ブラザーズ証券(株)/東京都/証券業/3,431,400百万円/民事再生法
  • リーマン・ブラザーズ・ホールディングス(株)/東京都/持株会社/515,973百万円/民事再生法
  • リーマン・ブラザーズ・コマーシャル・モーゲージ(株)/東京都/貸金業/384,458百万円/民事再生法
  • サンライズファイナンス(株)/東京都/貸金業/363,953百万円/民事再生法
  • (株)アーバンコーポレイション/広島県/不動産流通化事業、マンション販売/255,832百万円/民事再生法

禁・転載・複写

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ