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時計買い付けのFORTUNE、法人破産とバイヤーのその後 ~ 流用された与信枠、返済に追われ個人破産も ~

 海外で高級時計を買い付け、その報酬を支払うとしてバイヤーを募集していた(株)FORTUNE(TSRコード:380245943)が2024年7月17日に破産開始決定を受けてから1年が経過した。バイヤーは、指定された海外の時計店で自分のクレジットカードで時計を購入し、FORTUNE側に商品を渡すことで報酬を得ていた。だが、2023年11月頃からバイヤーへの支払いが滞り、クレジット債務を抱えたバイヤーとトラブルに発展していた。東京商工リサーチ(TSR)は、元バイヤーに、その後の状況を聞いた。


―破産から1年。現在の状況は

 2024年7月の破産開始決定から、今までに債権者集会が4回開催された。(管財人による)調査は継続中で、まだ手続きは終了していない。報酬を受け取れなかったバイヤーは全国に約60名おり、約3分の1が自己破産したと聞いた。親族からお金を借りて返済したバイヤーもいるが、一部はカード会社から規約違反として訴訟を起こされている。
 私は約1,300万円の債務を抱え、300万円は自分で支払った。残りは弁護士を通じて交渉し、支払いを待ってもらっているが、一部のカード会社からは訴訟を起こされている。

―首謀者によるポンジスキームの疑い

 FORTUNEの時計買い付けスキームは、実質的にA氏が取り仕切っていた。時計の買い付けのほか、事業資金として現金を貸したバイヤーもいる。A氏とは2023年11月以降、連絡が取れず行方が分からない。登記上は代表取締役でなく、債権者集会などにも出席していない。連絡を取りたいが手がかりがない。
 



 個人や企業に設定される信用枠は、商取引を円滑にし、経済活動の発展に繋がるが、枠の使い方によっては大きなトラブルに繋がる。
 個人の与信枠を第三者が活用を試みる「与信流用」スキームは、被害が表面化するまでは割の良い投資のように見えるため、被害額が肥大化しかねない。
 過去に社会問題化したシェアハウス投資では、個人が持つ金融機関での与信(融資)枠が活用された。今回はクレジットカードの与信枠が対象だ。目先の利益にとらわれず、持ち掛けられたビジネススキーム全体を理解することが、リスクヘッジに繋がることを改めて肝に銘じなくてはならない。

状況を語る元バイヤーら

状況を語るバイヤーら



(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2025年8月26日号掲載「取材の周辺」を再編集)

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