• TSRデータインサイト

船井電機HDがFUNAI GROUPに商号変更=本社も大阪から東京へ移転

 10月24日に東京地裁より破産開始決定を受けた船井電機(株)(TSR企業コード:697425274)の周辺に大きな動きがあった。10月31日、船井電機の親会社である船井電機・ホールディングス(株)(TSR企業コード:570182948、船井電機HD)は、FUNAI GROUP(株)へ商号変更した。
 同時に、本社登記地を大阪市大東市から千代田区外神田へ移転した。移転先は、船井電機の東京本社(大阪と東京の2本社体制)と同所だ。

 東京商工リサーチ(TSR)は11月11日、移転先を訪ねたが、受付内線に応答はない。ただ、船井電機の創業者一族の代理人弁護士名で通知文が張り出されていた。そこには、「船井電機の東京本社土地建物はすでにA氏(伏字はTSRによる。船井電機の創業者一族)が代物弁済予約契約にかかる予約完結通知を行い、8月26日にA氏が所有権を取得済み」と記載されている。11月12日現在取得できる不動産登記簿の所有者は船井電機HDのままだが、創業者一族による所有権移転請求権仮登記が設定されている。

 また、通知文には「船井電機HDの関係者であるという方が、東京本社の所有者であると主張し、鍵を渡すよう求めているとの情報があるが、当職(TSR注:代理人弁護士)を通すように」とも記載されている。12日午後、A氏の代理人弁護士がTSRの取材に応じ、「本件で連絡は受けておらず、連絡があれば適切に対応する」と述べた。

船井電機・東京本社(FUNAI GROUP本社登記地)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ