• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

リフォーム会社の倒産が過去最悪ペース ~ 初の年間100件超の可能性、物価高などが押し上げ ~

 住宅リフォーム会社の倒産が過去最多ペースで推移している。2023年1-10月の建築リフォーム業の倒産は82件で、統計を開始した2002年以降の同期間での最多を更新した。
 背景には、資材高騰や職人不足などの構造的な問題だけでなく、法外な代金請求などの悪徳業者に関する報道やSNSでの言及も目立つようになり、大手や信頼できる企業を吟味する風潮もありそうだ。
 現状ペースで推移すると、初めて年間100件を超える可能性がある。住宅リフォーム会社を選ぶには、過去の実績確認だけでなく、レピュテーション(評判)チェックなど自己防衛がより重要になりそうだ。

倒産件数は過去最多ペース

 2023年1-10月の建築リフォーム業の倒産は82件で、2002年以降の同期間では2018年の81件を上回り、最多を更新した。
 原因別は、販売不振が61件(構成比74.3%)、形態別は破産が77件(同93.9%)で、受注低迷による破産が大半を占めている。
 また、負債1億円未満が71件(構成比86.5%)、従業員10人未満が78件(同95.1%)など、零細規模の事業者が9割を占めている。
 82件のうち、新型コロナの影響を受けた倒産は24件、物価高に関連したものは10件、人手不足の影響を受けたものは5件で、複合的な要因もある。
 月次推移をみると、8月から3カ月連続で10件台に乗せ、増勢を強めている。これまでの年間最多は2012年の98件だけに、コロナ禍の影響もあって2023年は初の100件台も現実味を帯びている。
 都内の不動産会社の担当者は、住宅リフォーム会社の営業マンが問題がないのに「屋根が剥がれている」と不安を煽るケースがあったと耳打ちする。トイレやサッシなどが直前に値上がりしたとして契約直前に価格を大幅に吊り上げるケースや工事代金を支払った後も職人不足を理由になかなか工事に入らないなどのトラブル相談が後を絶たないという。  
 担当者は、「確かに住宅設備機器の値上がりで工事代は上昇しており、お客の側も工事会社は大手や優良会社、知り合いを選ぶケースが増えているのでは」と話す。
 リフォーム業界は小・零細業者が多いが、最近は大手やホームセンターなど異業種からの参入も増えている。さらに、不動産価格が上昇し、リノベーションで中古物件の価値を高める動きも注目度を高めている。
 一方で、リフォームにかかわる倒産は身近に迫っている。面倒なトラブルを避けるためにも、事前の情報把握の重要性が増している。

建築リフォーム工事業の倒産(1-10月)推移


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2023年12月1日号掲載「WeeklyTopics」を再編集)

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

3

  • TSRデータインサイト

米穀卸、令和のコメ騒動で25年度の業績急伸 ~ 26年度はコメ価格下落で暗転へ ~

コメ価格の急騰や品不足で市場が混乱した「令和のコメ騒動」が過ぎ去った。コメを供給してきた米穀(米麦)卸売業は4期前と比べて売上高が約2倍、利益(最終利益)は4.5倍と、業績が急拡大したことが東京商工リサーチ(TSR)の調査でわかった。

4

  • TSRデータインサイト

「お弁当屋さん」の倒産、2年連続で過去最多へ ~ コメ価格下落と消費税引き下げもコスト高 ~

「お弁当屋さん」の倒産が急増している。2026年は8月までに83件に達し、これまで最多の2025年(1-12月)の89件超えが確実だ。コメ価格下落の兆しがみえ、食品の消費税率引き下げも控える。だが、肉や野菜などの食材や包装資材、電気・ガス料金の値上がり幅は大きく、経営の重しとなっている

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

TOPへ