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8月の「物価高」倒産58件、5月以降、50件台の推移が続く

~ 2023年8月 「物価高」倒産の状況 ~


  2023年8月の「物価高」を起因とする倒産は58件(前年同月比132.0%増)で、5月から50件台の高止まりが続いている。
 ゼロゼロ融資の返済がピークを迎えるなか、原材料や仕入れコストの上昇などの物価高が企業の資金繰りに悪影響を及ぼしていることを示す。


 業種別では、最多が総合工事業の13件で、前年同月(2件)の6.5倍と大幅に増加。また、職別工事業が5件(前年同月1件)、設備工事業が2件(同1件)と建設業が目立った。このほか、道路貨物運送業が9件(同10件)と2番目に多かった。建設業や運輸業は、慢性的な人手不足が続いており、人件費の増加に加えて資材や燃料費などのコストアップが企業業績を直撃している。

 負債額別は、最多が1億円以上5億円未満の27件(前年同月比125.0%増)で、全体のほぼ半数(構成比46.5%)を占めた。また、1億円未満も24件(構成比41.3%)発生し、物価高の影響は中堅以下の企業に集中している。

 形態別は、破産が54件(前年同月比134.7%増)で、9割強(93.1%)を占めた。資金需要が活発になる一方、過剰債務を抱えて新たな資金調達が難しく、再建を諦めて破産を選択する企業が多い。

 円安も進み、原材料や資材、エネルギーなどの価格上昇が続いている。このため、コロナ禍からの業績回復が遅れた企業を中心に、当面、「物価高」倒産は高水準で推移するとみられる。

※本調査は、2023年8月の企業倒産(負債1,000万円以上)のうち、①仕入コストや資源・原材料の上昇、②価格上昇分を価格転嫁できなかった、等により倒産(私的・法的)した企業を集計、分析した。


「物価高」倒産58件、高水準の推移が続く

 2023年8月の「物価高」倒産は58件(前年同月比132.0%増)で、前年同月(25件)の2.3倍に増加した。2023年では3月の59件に次いで、5月・7月に並ぶ2番目の多さとなった。
 2023年1月のドル/円レートは1ドル=130円台だったが、9月に入り1ドル=147円台と円安が進んだ。
 穀物や原材料、資材、エネルギー関連など、輸入品の価格上昇が続いている。経済活動が拡大するなかで、物価高は運転資金を旺盛にするだけでなく、物流費や光熱費などコスト増につながり、企業の資金繰りに影響を及ぼしている。生産性の低い中小企業への打撃はこれまで以上に厳しく、当面、物価高を一因とした企業倒産は高水準で推移するとみられる。

「物価高」倒産月次推移

【産業別】建設業が20件で最多

 産業別件数は、10産業のうち、卸売業、金融・保険業、運輸業、情報通信業を除く6産業で前年同月を上回った。
 最多は、建設業の20件(前年同月比400.0%増、前年同月4件)だった。以下、製造業13件(同160.0%増、同5件)、運輸業9件(同10.0%減、同10件)の順。
 外国為替相場は、1ドル=147円台と円安基調が強まっている。資材や燃料などのさらなる価格上昇が懸念され、幅広い産業に影響を及ぼす可能性がある。

産業別状況(8月)

【業種別】最多が総合工事業の13件

 業種別(業種中分類)件数は、最多が総合工事業の13件で、前年同月(2件)の6.5倍に急増。
 次いで、道路貨物運送業が9件(前年同月10件)、職別工事業が5件(同1件)と続く。
 建設業では、総合工事業や職別工事業だけでなく、設備工事業でも2件(同1件)発生。資材価格の上昇に、人手不足も重なり、資金繰りは厳しさを増している。
 道路貨物運送業は、燃料価格の上昇が企業業績を圧迫している。

【形態別】消滅型の破産が9割

 形態別件数は、破産が54件(前年同月比134.7%増)で、全体の9割(93.1%)を占めた。
 一方、再建型の民事再生法は前年同月と同件数の1件だった。
 このほか、取引停止処分が3件(前年同月比200.0%増)だった。
 コロナ禍からの業績回復が遅れるなかで、実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化し、さらに物価高も加わり、企業の資金繰りは厳しさを増している。新たな資金調達が出来ず、再建の見通しが立たない企業が破産を選択している。

【負債額別】1億円未満が5割超

 負債額別件数は、最多が1億円以上5億円未満の27件(前年同月比125.0%増)で、ほぼ半数(構成比46.5%)を占めた。
 以下、1千万円以上5千万円未満が13件(前年同月比333.3%増)、5千万円以上1億円未満が11件(同175.0%増)の順。
 事業規模を問わず、物価高の影響は広がっている。

負債額別状況(8月)

【資本金別】1千万円未満が6割

 資本金別件数は、最多が1百万円以上5百万円未満の22件(前年同月比450.0%増、構成比37.9%)。
 次いで、1千万円以上5千万円未満の21件(前年同月比50.0%増)、5百万円以上1千万円未満の11件(同175.0%増)と続く。
 1千万円未満が35件(前年同月比337.5%増、前年同月8件)で、「物価高」倒産の6割(60.3%)を占めた。

【地区別】6地区で前年同月を上回る

 地区別件数は、9地区のうち、中部、近畿、中国を除く6地区で前年同月を上回った。増加率の最大は、東北の前年同月比900.0%増(1→10件)。以下、北海道(1→5件)と関東(4→20件)の同400.0%増、九州の同166.6%増(3→8件)の順。
 また、前年同月がゼロだった北陸が3件、四国が2件発生した。
 都道府県別の最多は、東京の6件(前年同月2件)。次いで、北海道と宮城、神奈川、福岡が各5件(同1件)、埼玉と長野が各3件(同ゼロ)。

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