• TSRデータインサイト

6月の「円安」関連倒産 3件 2023年上半期(1-6月)は27件、前年1年間を超える

~ 【6月速報】 「為替」関連倒産(6月30日現在) ~


 6月30日、東京外国為替市場で円が7カ月ぶりに1ドル=145円台に下落した。また、ユーロも約15年ぶりに1ユーロ=157円台に値下がりし、円安が再び強まってきている。
 2023年6月の「円安」関連倒産は3件(前年同月ゼロ)発生した。2023年上半期(1-6月)は27件に達し、すでに2022年1年間の24件を3件上回り、円安の影響が広がっている。


 2023年6月の「円安」関連倒産は、卸売業2件、酪農業1件だった。円安に伴う資材や原材料価格の上昇に加え、酪農業では輸入飼料の価格高騰で採算性が悪化し、資金繰りに行き詰まるケースが増えている。
 昨年から原材料や資材に加え、水道や電気、ガスなど光熱費も大幅な上昇が続いている。こうしたなか、価格転嫁が進まない企業では売上が伸びる分だけコストがアップし、利益率の悪化で資金繰りが厳しさを増している。円安は輸入価格の上昇を招き、物価上昇に歯止めをかけることが難しい。価格転嫁が容易でない中小・零細企業を中心に、円安が企業倒産を押し上げる構図が強まっている。

円安関連倒産月次推移

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

【解説】秀和システムの法的整理、異変察知は「船井電機より前」

(株)秀和システム(TSRコード:292007680、東京都)への問い合せは、船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の破産の前後から急増した。ところが、あるベテラン審査マンは「ERIが弾けた時からマークしていた」と耳打ちする。

2

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月27日時点) 上場企業「役員報酬1億円以上開示企業」調査

2025年3月期決算の上場企業の多くで株主総会が開催された。6月27日までに2025年3月期の有価証券報告書を2,130社が提出した。このうち、役員報酬1億円以上の開示は343社、開示人数は859人で、前年の社数(336社)および人数(818人)を超え、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

1-6月の「訪問介護」倒産 2年連続で最多 ヘルパー不足と報酬改定で苦境が鮮明に

参議院選挙の争点の一つでもある介護業界の倒産が加速している。2025年上半期(1-6月)の「訪問介護」の倒産が45件(前年同期比12.5%増)に達し、2年連続で過去最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

船井電機の債権者集会、異例の会社側「出席者ゼロ」、原田義昭氏は入場拒否

破産手続き中の船井電機(株)(TSRコード:697425274、大阪府)の第1回債権者集会が7月2日、東京地裁で開かれた。商業登記上の代表取締役である原田義昭氏は地裁に姿を見せたものの出席が認めらなかった。会社側から債務者席への着座がない異例の事態で14時から始まった。

5

  • TSRデータインサイト

1-6月の「人手不足」倒産 上半期最多の172件 賃上げの波に乗れず、「従業員退職」が3割増

中小企業で人手不足の深刻な影響が広がっている。2025年上半期(1-6月)の「人手不足」が一因の倒産は、上半期で最多の172件(前年同月比17.8%増)に達した。

TOPへ