2022年の「上場企業」倒産は2年ぶりに1件発生 テラ(株)の破産
2022年の上場企業の倒産は、8月に破産を申請した東証スタンダードのテラ(株)(東京)の1件にとどまる見通しとなった。上場企業の倒産は、2020年9月の(株)Nuts(東京、JASDAQ)以来、2年ぶり。また、2022年4月に東証、名証の市場区分が新たに見直されてから初の倒産となった。
上場企業の倒産は、高度経済成長からバブル景気に沸いた『昭和』は95件発生した(判明分)。『平成』は、バブル崩壊からリーマン・ショック、東日本大震災などの未曽有の事態に見舞われ、1991年8月の(株)マルコー(東京、店頭、会社更生)から、2019年1月の(株)シベール(山形、JASDAQ、民事再生)まで合計234件に達した。『令和』では2020年5月、アパレル業界の名門だった(株)レナウン、同年9月の(株)Nuts(破産)のを合わせて合計3件にとどまった。
2022年はコロナ禍が長引くなか、原油高やロシアのウクライナ侵攻に伴うエネルギー価格上昇、さらに10月21日に一時1ドル=151円台に下落するなど急激な円安もあり、深刻な物価高が加速した。また、コロナ禍の人余りから一転、人手不足も顕在化した。
先行きの見通しは不透明だが、ポストコロナの局面で事業再生の議論が活発になっており、業績不振に陥った上場企業は倒産と事業再生ADRなどの私的整理に分岐する可能性が高い。
上場区分の見直し後 初の倒産
2022年の上場企業の倒産は2020年以来、2年ぶりに1件発生した。4月に新たに市場区分が見直されて以降、テラ(株)が最初の倒産となった。ただ、負債は1993年以降の30年間で、2005年7月の日本エルエスアイカード(株)(大阪、大証2部、負債4,800万円)に次いで、2番目に小さかった。