• TSRデータインサイト

マレリHDが決算公告、既存債務の返済条件の変更は2029年6月末まで

 マレリホールディングス(株)(TSR企業コード:022746064、さいたま市、以下マレリHD)の2021年12月期(単体)の最終利益は6,351億3,400万円の赤字で、純資産はマイナス4,415億1,800万円で債務超過に転落していたことが11月8日、わかった。同日、マレリHDが決算公告した。関係会社株式評価損が響いた。通常4月に発表していた決算公告が大幅に遅れていた。

 マレリHDは事業拡大や新型コロナの影響で経営が悪化。事業再生ADRによる再生を目指していたが、一部の金融機関が同意せず、7月に民事再生手続きにおける簡易再生を申請。事業再生計画が可決され8月、再生手続きが終結した。
 再生計画は、金融債務4,301億円の債権放棄や253億円の借入債務の株式化のほか、既存借入金債務は2029年6月29日まで返済条件が変更された。一連の金融支援は、2022年12月期で4,554億円の純資産の増加に寄与する。
 同時に発表したマレリ(株)(TSR企業コード:291139833、さいたま市)の2021年12月期(単体)は売上高2,186億7,100万円(前期比1.7%増)、営業利益116億7,600万円の赤字(前期160億8,300万円の赤字)、当期純利益3,955億4,400万円の赤字(同282億1,400万円)で、当期純利益では4期連続の赤字だった。
 なお、同期末時点の現預金は、マレリHDが91億7,400万円、マレリが53億1,800万円だった。

マレリ

‌マレリの本社(TSR撮影)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「マレリグループ」国内取引先調査 ~国内の取引先2,942社、影響懸念~

経営不振が続いたマレリグループの持株会社マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064、さいたま市北区)が6月11日(日本時間)、米国でチャプター11を申請した。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからマレリグループの取引先数(重複除く)は国内2,942社あることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「労働者派遣業」倒産53件 人材派遣が人手不足で年間最多ペースの可能性

深刻な人手不足が続くなか、 「労働者派遣業」の倒産がハイペースをたどっている。2025年5月の「労働者派遣業」倒産は、3月に並び今年最多の15件(前年同月比400.0%増)発生した。

3

  • TSRデータインサイト

「日産ショック」とマレリ、部品サプライチェーンの再編含み

マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064)と主要子会社は6月11日(日本時間)、チャプター11(連邦破産法第11条)を申請した。東京商工リサーチのデータベースによると、マレリグループの国内取引先は全国2,942社に及ぶ。

4

  • TSRデータインサイト

事前調整に明け暮れたマレリHDが再度破たん ~支援プレイヤーの場外乱闘の果て~

マレリHDを巡っては、準則型私的整理の一種である事業再生ADRでの再建を目指したが、海外金融機関の反対でとん挫し、前年の産業競争力強化法の改正で規定された民事再生の一部手続きを省略する簡易再生へ移行した。

5

  • TSRデータインサイト

(株)ピーエスフードサービス 保育園への食材納品がストップ=納入業者の資金繰り悪化で

保育園などに食材を販売している(株)ピーエスフードサービス(TSRコード:352395583、さいたま市見沼区)は納品が困難になっていることを自社ホームページで公表した。

TOPへ