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三菱自動車 最終赤字3123億円、2期連続の赤字で苦戦が続く

 三菱自動車工業(株)(TSR企業コード:290569729、東京都港区、東証1部)は5月11日、2021年3月期連結決算の最終利益が3123億1700万円の赤字だったと発表した。最終赤字は2期連続で、新型コロナの影響や構造改革費用が響いた。赤字規模は、リコール問題で揺れた2005年3月期の4747億8500万円の最終赤字に次ぐ水準で、経営立て直しを急いでいる。
 売上高は前年同期比35.9%減の1兆4554億7600万円だった。新型コロナで世界的な車の需要低迷が影響した。パジェロ製造(株)(TSR企業コード:470001232、岐阜県)の生産停止を決定したほか、希望退職者の募集などコスト削減を進めている。
 同日発表した2022年3月期(連結)の業績予想は、売上高2兆600億円(前期比41.5%増)、営業利益300億円、当期純利益100億円と黒字転換を計画している。

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