• TSRデータインサイト

アパレル大手のTSIが希望退職を発表、百貨店向け上位3社がそろって人員削減に着手

 アパレル大手のTSIホールディングス(TSR企業コード:298655195、港区、東証1部、以下TSIHD)は16日、グループ構造改革に伴う希望退職の募集を発表した。これで百貨店向け上場アパレルの売上高上位3社(ワールド、オンワードHD、TSIHD)が2020年内に早期・希望退職を実施する異例な事態となった。

 TSIHDは、旧サンエーインターナショナルと旧東京スタイルが経営統合する形で設立された。百貨店やファッションビルで主に展開する「ナチュラルビューティーベーシック」や「パーリーゲイツ」、セレクトショップの「ナノユニバース」や「ビーセカンド」など50以上のファッションブランドを擁する。2020年2月期の売上高は1700億6800万円。
 今回の希望退職は、人員削減プログラムの一環で、対象は原則として満40歳以上のグループ各社に所属する直接雇用者(契約社員、パート・アルバイト含む)。募集期間は10月1日から2021年2月28日の予定で、対象人員は人員削減プログラム全体で300人(希望退職以外の人員削減策含む)。
 TSIHDは、上半期(2020年2~9月)までに88店舗を閉店し、下半期も子会社の解散や撤退するブランドを含め122店の閉店を明らかにしている。
 
 上場アパレル企業の希望退職の募集(募集時点の開示ベース)は、2月にオンワードHD(350人)、5月にレナウン(当時東証1部、5月民事再生法、300人)、6月に三共生興(30人)、8月にワールド(200人)が相次いで実施している。


人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「マレリグループ」国内取引先調査 ~国内の取引先2,942社、影響懸念~

経営不振が続いたマレリグループの持株会社マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064、さいたま市北区)が6月11日(日本時間)、米国でチャプター11を申請した。東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースからマレリグループの取引先数(重複除く)は国内2,942社あることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「労働者派遣業」倒産53件 人材派遣が人手不足で年間最多ペースの可能性

深刻な人手不足が続くなか、 「労働者派遣業」の倒産がハイペースをたどっている。2025年5月の「労働者派遣業」倒産は、3月に並び今年最多の15件(前年同月比400.0%増)発生した。

3

  • TSRデータインサイト

「日産ショック」とマレリ、部品サプライチェーンの再編含み

マレリホールディングス(株)(TSRコード:022746064)と主要子会社は6月11日(日本時間)、チャプター11(連邦破産法第11条)を申請した。東京商工リサーチのデータベースによると、マレリグループの国内取引先は全国2,942社に及ぶ。

4

  • TSRデータインサイト

事前調整に明け暮れたマレリHDが再度破たん ~支援プレイヤーの場外乱闘の果て~

マレリHDを巡っては、準則型私的整理の一種である事業再生ADRでの再建を目指したが、海外金融機関の反対でとん挫し、前年の産業競争力強化法の改正で規定された民事再生の一部手続きを省略する簡易再生へ移行した。

5

  • TSRデータインサイト

(株)ピーエスフードサービス 保育園への食材納品がストップ=納入業者の資金繰り悪化で

保育園などに食材を販売している(株)ピーエスフードサービス(TSRコード:352395583、さいたま市見沼区)は納品が困難になっていることを自社ホームページで公表した。

TOPへ