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三菱自動車が3600億円の最終赤字へ、事業構造改革費用が重く

2期連続の赤字見通し

  三菱自動車工業(株)(TSR企業コード:290569729、東京都港区、東証1部)は7月27日、2021年3月期の連結業績予想の当期純利益が3600億円の赤字になりそうだと発表した。これまで業績予想は「未定」だった。

 新型コロナウイルスによる終息が見通せないなか、販売台数は前年比25%減の84万5000台を見込み、構造改革費用など特別損失も響く。

 2021年3月期連結の売上高予想も1兆4800億円(2020年3月期同2兆2702億円)と大幅な減収を予想する。

 同日、三菱自動車は子会社のパジェロ製造(株)(TSR企業コード:470001232、岐阜県)の生産を2021年上半期に停止し、工場を閉鎖することも発表した。パジェロ製造で生産している製品は三菱自動車の岡崎工場へ移管する。

 なお、東京商工リサーチの企業データベースによると、パジェロ製造の国内1次取引(直接取引)先は52社、2次取引(間接取引)先は228社に上る。

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