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上場企業「新型コロナウイルス影響」調査 (7月1日時点)

 「新型コロナウイルス」感染は7月1日、東京都で緊急事態宣言の解除後、最多の67人の感染が確認された。ここにきて感染者数が増加し、企業活動への影響も不透明さを増している。
 「新型コロナ関連破たん」は、6月に月別最多の103件が発生した。6月30日には新型コロナの関連倒産で最大の負債額(約278億円)の大型倒産も発生、増勢を強めている。
 7月1日までに、新型コロナの影響や対応などを情報開示した上場企業は3,453社に達した。
これは全上場企業3,789社の91.1%を占めている。このうち、業績の下方修正は928社で、上場企業の4分の1(約24.4%)に達し、258社が赤字だった。
 下方修正額のマイナス合計は、売上高が6兆5,490億円、利益は4兆1,112億円にのぼった。
 2020年3月期決算は2,406社のうち、2,383社(99.0%)が決算短信を発表し、未発表は23社となった。2020年3月期決算は約6割(58.6%)の企業が減益で、新型コロナによる利益押し下げが鮮明となった。次期(2021年3月期)の業績予想では、「未定」の企業が6割(59.8%)だった。

  • 本調査は、2020年1月23日から新型コロナの影響や対応など全上場企業の適時開示、HP上の「お知らせ」等を集計した。
  • 「影響はない」、「影響は軽微」など、業績に影響のない企業は除外。また、「新型コロナウイルス」の字句記載はあっても、直接的な影響を受けていないことを開示したケースも除外した。前回発表は6月25日(6月24日時点)。

自動車部品大手のサンデンHD、大幅下方修正とともに事業再生ADRを申請

 情報開示した3,453社のうち、決算短信や月次売上報告、業績予想の修正などで新型コロナによる業績の下振れ影響に言及したのは1,588社だった。一方、「影響の懸念がある」、「影響を精査中」、「影響確定は困難で織り込んでいない」などの開示は1,237社だった。
 下振れ影響を公表した1,588社のうち、928社が売上高や利益の減少などの業績予想、従来予想と実績との差異などで業績を下方修正した。業績の下方修正額のマイナスは合計で、売上高が6兆5,490億円、最終利益が4兆1,112億円に達した。

 カーエアコン用のコンプレッサーで世界2位のシェアを誇る(株)サンデンホールディングス(東証1部)が6月30日、2020年3月期決算での業績予想値と実績値との差異を発表した。売上高は従来予想より101億2,000万円減少、最終利益は従来予想より74.6%減の67億1,300万円下方修正した。
 また同日、関連4社とともに事業再生実務家協会に事業再生ADRを申請し、受理されたことを公表した。米中貿易摩擦などから中国・インド市場向け販売が低迷したうえ、2020年に入り「新型コロナウイルス」感染拡大で、グループの海外工場が休業に追い込まれ、厳しい業況が続いた。金融機関およびリース会社と債務について協議し、秋から年内にかけて合意を目指すとしている。

業績下方修正額の推移(累計)

J.フロントR、2期連続の大幅下方修正

 百貨店大手の大丸、松坂屋が統合し、子会社にパルコを抱えるJ.フロント リテイリングは6月29日、2021年2月期の連結決算を下方修正した。4月10日に公表した業績予想から売上高で2,050億円、利益を310億円引き下げた。
 6月中旬までにほぼ全店で通常営業を再開したが、主力の百貨店・パルコ事業で上期は前年実績の7割程度、下期は同8割程度の回復見込みで、売上収益、各利益ともに大きく減少する見通しとなった。
 同社は前期決算(2020年2月期本決算)でも新型コロナの影響を受けて、同期業績を下方修正(売上高▲334億円、利益▲67億円)して着地した。
 3月以降、インバウンド消失、外出自粛要請、緊急事態宣言に伴う臨時休業などが本格的に業績を直撃。早くも今期業績予想を大幅に引き下げ、売上下方修正額では4番目に大きい規模となった。

上場企業の2割が決算発表を延期

 新型コロナウイルスの影響・対応を分類すると、「業績への影響(下振れ、懸念・未定)」以外では、「決算発表の延期」が740社と上場企業の約2割(19.5%)に達した。3月期決算の発表はピークを過ぎたが、その後の決算期でも決算発表の延期を公表する企業が相次いでおり、コロナ禍での決算作業の遅れによる混乱は当面続きそうだ。
 「その他」(1,008社)のうち、新型コロナウイルスの影響がプラス効果になっていると公表した企業は187社だった。また、新型コロナによる業績ダウンを受けて役員報酬の減額や自主返納などを表明した企業126社だった。

2020年3月期決算は99.0%が発表、未公表は2,406社中23社

【2020年3月期決算】
 7月1日までに、2020年3月期決算の上場企業2,383社(3月期決算の上場企業の99.0%)が決算短信を公表した。決算作業や監査業務の遅延などを理由に、23社が未公表となっている。
 決算発表した2,383社のうち、最多は「減収減益」で896社(構成比37.6%)。次いで、「増収増益」が701社(同29.4%)だった。
 増収企業(1,203社、50.4%)と減収企業(1,180社、49.5%)は拮抗したが、利益面では減益企業(1,398社、58.6%)が増益企業(985社、41.3%)を17.3ポイント上回った。
 今期は多くの企業で人手不足による人件費の高騰がコストアップ要因となっていたことに加え、新型コロナの影響で今後の収益性の低下を予想し、減損や繰延税金資産の取り崩しなどの損失を計上。利益が下振れした企業が目立った。

【2021年3月期決算見通し】
 次期(2021年3月期)の業績予想は、2,383社のうち、約6割の1,425社(構成比59.8%)が、「未定」として開示していない。新型コロナによる経営環境の激変で、業績予想の見通しが立たず、算定が困難としている。一方、次期の業績予想を開示した958社のうち、最多は「減収減益」の404社で、約4割(42.1%)を占め、今期の厳しい収益環境を予想している。

【2021年3月期 業績予想】

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