• TSRデータインサイト

「新型コロナウイルス」の影響で北海道のバス会社が営業休止

 観光バスやスクールバス、ハイヤーを運行する(有)味十商事(みとしょうじ、TSR企業コード:092000312、北海道浦河郡浦河町堺町東4-6-18)が、2月29日付で業務を休止した。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、外国人観光客を中心とした観光バスやハイヤー利用者の激減に加え、スクールバスの運行再開が見通せなかった。
 味十商事は2002年12月に設立。本社と札幌市内に事業所を構え、バス約10台、ハイヤー5台で、中国など外国人向け観光ツアーの貸し切りバス運行を中心に、ハイヤー、スクールバスの運行も手がけていた。

 だが、新型コロナウイルスの感染拡大で外国人観光客のバスツアーのキャンセルが相次ぎ、「2月の売上はほぼゼロ」(同社)に落ち込み、営業休止を決断した。約10名の従業員は2月29日付で解雇した。
 また、浦河町内のスクールバスの運行も数年間にわたり手がけていた。同町教育委員会によると、スクールバスは町内の100名超の子供が利用し、1日に複数台を運行していた。しかし、小学校が一斉休校し、先行きを見通せなくなっていた。スクールバスの運行は年度更新で、味十商事は3月末の契約終了を前に運行断念を教委に通知。2020年度の新規契約の入札は辞退している。

 味十商事の関係者は、営業開始時期について「全く見通せない。社内では今年は無理ではないかと話している」とコメントした。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ