• TSRデータインサイト

エンカレッジ・テクノロジ(東証1部)、IT人材難で子会社を休眠へ

 システムの運用管理を手がけるエンカレッジ・テクノロジ(株)(TSR企業コード:295591382、東証1部、東京都)は、連結子会社の(株)アクロテック(TSR企業コード:297513648、東京都)の事業を9月末で休止することを明らかにした。アクロテックはシステムエンジニア等のIT人材の派遣を主に手がけていた。しかし、優秀なIT人材の確保が困難なことから今回の措置となった。
 アクロテックは1997年設立。創業者がオーナー社長を務めていたが、2016年4月にエンカレッジ・テクノロジが2億2,000万円で買収し、完全子会社化していた。アクロテックの従業員約30名はエンカレッジ・テクノロジへ移籍し、パッケージソフトウェア開発などに携わる予定。
 8月30日、エンカレッジ・テクノロジの担当者は東京商工リサーチの取材に応じ、「買収した2016年当時もIT人材の確保は難しかったが、最近はさらに加速している。(エンカレッジ・テクノロジは)これからも採用活動を進めるが、M&Aや資本提携などでIT人材を確保し、グループ全体の価値向上を引き続き目指す」と語った。
 アクロテックは休眠会社とする方針で、法的手続きの予定はない。買収時ののれん代は2,000万円程度で償却も進んでおり、「業績に与える影響は軽微」(エンカレッジ・テクノロジの担当者)という。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年9月2日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ