• TSRデータインサイト

大塚家具、第1四半期は在庫一掃セールの反動で赤字

 5月10日、(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、JASDAQ)は2020年4月期第1四半期(1-3月)を発表した。
 在庫一掃セールの反動や店舗縮小などで、売上高は68億3,000万円(前年同期比25.1%減)と大幅減収だった。営業利益は14億3,000万円の赤字(前年同期14億1,900万円の赤字)で、店舗再編による賃借料低減などの抑制策で前年同期と同水準にとどまった。当期純利益は14億5,600万円の赤字(前年同期は1億円の黒字)に転落した。前年同期は不動産流動化に伴う特別利益(11億7,666万円)を計上し、9四半期ぶり最終黒字を計上していた。
 赤字が続き、営業キャッシュフローはマイナスだが、2019年3月にハイラインズ日中アライアンス1号匿名組合などから第三者割当増資の払い込みを受け、現預金は39億5,167万円に増えている(2018年12月末比7億5,649万円増)。
 2020年4月期は16ヵ月の変則決算だが、新たな計画に基づき精査中で業績予想は未定とした。
 大塚家具を巡っては、大塚久美子社長が4月26日、経営権を巡り対立していた実父で匠大塚(株)(TSR企業コード:015391809)の大塚勝久会長を訪問し、和解を呼びかけるなど、引き続き動向が注目されている。


大塚家具

匠大塚の店舗前で会見する久美子社長(4月26日 TSR撮影)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ