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2018年「主な上場企業の希望・早期退職者募集状況」調査、募集実施企業は2000年の調査開始以来、最少の12社

 緩やかな景気拡大を背景に、希望・早期退職者を募った上場企業は、2000年に調査を開始以来、最少の12社にとどまった。リーマン・ショック翌年の2009年の191社に比べ、9年間で93.7%減と大幅に減少した。
ただ、薬価引き下げと大衆薬の低迷などが影響した医薬品メーカーや、ネット通販サイトの台頭に押された大手カタログ販売、アパレル大手など、業種により人員削減策への取り組みの違いが目立った。「人手不足」は深刻化しているが、厳しい経営環境に置かれている上場企業が少なくないことがわかった。

  • ※本調査は、2018年に希望・早期退職者募集の実施を情報開示、具体的な内容を確認できた上場企業を抽出した。希望・早期退職者の募集予定を発表したが、まだ実施に至っていない企業、および上場企業の子会社(未上場)は対象から除いた。資料は原則として『会社情報に関する適時開示資料』(2019年1月11日公表分まで)に基づく。

希望・早期退職者募集の実施は12社、2000年以降で最少

 2018年(1‐12月)に希望・早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は12社を数えた。これは前年の25社から半減し、人員リストラ策は落ち着きをみせている。これまで希望・早期退職者募集を実施した上場企業は、リーマン・ショック直後の2009年に191社に達したが、円安進行で輸出産業を中心に大手企業の業績が好転した2013年から減少をたどり、2018年は調査開始の2000年以降で最少だった2016年(18社)を下回り、最少社数を更新した。

電気機器、医薬品、小売業での大手や有名企業の実施が目立つ

 2018年の募集または応募人数では、最多は日本電気(グループ会社を含む)の応募2,170人だった。日本電気は中期経営計画に沿って、固定費削減を含む抜本的な収益構造改革の一環として実施した。次いで、今後の持続的な成長に向け生産性の高い組織構築を進める大正製薬ホールディングス(グループ会社を含む)の応募948人。通信販売事業の収益悪化に歯止めをかけるため、抜本的な事業構造改革に向け更なる合理化の必要が生じたカタログ通販大手の千趣会(グループ会社を含む)の募集280人。2015年に英国の高級ブランド「バーバリー」のライセンス販売契約が終了後、販売低迷が続くアパレル大手、三陽商会の募集250人と続く。
募集人数が100人以上は6社(前年8社)で前年を2社下回った。業種別では、大正製薬ホールディングス、エーザイなどの医薬品と情報・通信が各3社で最も多かった。

通信販売・訪問販売小売業の倒産 年次推移


2018年の上場企業の希望・早期退職者募集は、調査開始以来で最少にとどまった。「人手不足」が深刻化するなかで当然の結果ともいえる。ただし、この一方で希望・早期退職者募集に至ってないものの、「事業の選択と集中」の加速から、不採算事業の撤退や縮小に踏み出す企業や、業績が比較的に好調な企業でも、転籍や配置転換などで人員構成の見直しの動きも出ている。このため、現状は希望・早期退職者募集企業は低水準でも、競争力を高めるための人員適正化と、成長分野への事業展開を視野に入れた人員再配置などに踏み切る企業は今後も変わらず増えていくとみられる。

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