• TSRデータインサイト

太洋産業が債権者説明会を開催、「子会社の法的処理の予定はない」

  7月9日に東京地裁に民事再生法の適用を申請した太洋産業(株)(TSR企業コード:291081398、中央区築地6-16-1、登記上:岩手県大船渡市大船渡町字野々田5-1、松岡章社長)の債権者説明会が、7月12日午後1時30分より都内で開催された。
会社側からは松岡社長、申請代理人の加藤寛史弁護士(阿部・井窪・片山法律事務所)らが出席。オブザーバーとして、監督委員の鶴巻暁弁護士(上條・鶴巻法律事務所)、約100名の債権者が参加した。
冒頭、松岡社長が謝罪し、その後民事再生法の申請に至った経緯を説明した。
松岡社長の説明の要旨は以下の通り
・前年盛漁期(8~12月前半)の大不漁による魚価高で仕入が出来ず工場の稼働が落ち込んだ
・今年1月にメインの岩手銀行に相談。返済猶予を受け、3月からスポンサーを開始
・しかし、各工場が赤字に陥ったことで、金融機関から折り返し融資が受けられなくなった
・数十社と話し合いの結果、1社がスポンサー候補となった。しかしその後、3工場全ての引き受けは負担が重い、近年の素材環境が厳しいなどの理由で候補を辞退された
・工場毎に見学に来た企業もあったが、有力なスポンサー候補が現れず交渉期限が過ぎ、社長自身が民事再生法を申請することを決断した

加藤弁護士からは、民事再生手続きの説明がなされ、「手元資金が準備できていないため少額弁済の特例はない」、「再生計画案を提出する前に事業を譲渡する可能性がある」ことが伝えられた。その後、質疑応答が行われ、午後2時17分に散会となった。

主な質疑応答
Q.補助金を受けていると聞くが返還義務は?
A.国からの補助金を受けており、事業譲渡の場合、返済義務が生じる。ただ、近年は国の事前承認が得られれば返済しなくてもいいという事例もある。
Q.決算書上の売掛金(17億7,600万円)には子会社への売掛金も含まれているのか?
A.若干あるかもしれないが、基本的には外部に対する売掛金。
Q.子会社2社の株式はどうするのか?
A.当社の資産なので処分するには監督委員の同意が必要。これまで通り事業は継続し、法的処理の予定はない。大船渡運輸(株)(TSR企業コード:170014673、大船渡市)は当社の事業に関連性もあるのでスポンサーの意向を踏まえて考える。太産商事(株)(TSR企業コード:292435010、川越市)は業務上の関連性が薄いため、自力での事業継続と考えている。
Q.3工場とも赤字なのか?
A.ここ3期は不漁から3工場とも赤字。ただ、当社にはブランド、工場設備、従業員の技術があり、スポンサーの検討をしてもらっている。また、根室、釧路は北海道というブランドもある。

太洋産業大船渡工場

太洋産業大船渡工場

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月17日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ