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金融庁、みなし仮想通貨交換業者3社に行政処分

FSHOとエターナルリンクに業務停止命令

 金融庁は4月6日、みなし仮想通貨交換業者のFSHO(株)(TSR企業コード:012835269、横浜市西区)と(株)エターナルリンク(TSR企業コード:298328747、東京都中央区)に対し、業務停止命令及び業務改善命令を出した。
FSHOは3月8日に業務改善命令を受けていたが、金融庁に提出した報告書等で業務改善命令を履行しておらず再び行政処分を受けた。
エターナルリンクは3月7日、金融庁の立ち入り検査で代表取締役が利用者から預かった金銭を一時流用していた事実が発覚した。
業務停止命令はFSHOが4月8日から6月7日まで、エターナルリンクは4月6日から6月5日まで。
また、金融庁は同日、(株)LastRoots(TSR企業コード:018187609、東京都港区)に対して業務改善命令を出した。

FSHOは2度目の行政処分

 3月8日、金融庁はFSHOに対して取引時の確認体制の未整備などで3月8日から4月7日まで業務停止命令を出していた。しかし、その後も金融庁の指導に対し、取引目的や職業確認を実施せず、疑わしい取引の届出要否も判断しないなど是正が図られていなかった。
エターナルリンクは、代表取締役が経費支払いに充てるため、利用者から預かった金銭を一時的に流用していた違反事実が金融庁の立ち入り検査で発覚した。
LastRootsは、金融庁の立ち入り検査により、内部監査の未実施などが認められた。

みなし16社のうち、6社が申請取り下げへ

 仮想通貨交換業者は資金決済法で登録が義務付けられている。現在、登録業者は16社あり、このほか審査中の業者16社も「みなし業者」として業務を続けていた。ところが、コインチェックの流出問題を受けて、金融庁はすべてのみなし業者に立ち入り検査を実施していた。
金融庁によると、すでに申請取り下げを表明していた「来夢」、「ビットステーション」、「bitExpress」に加え、新たに「ミスターエクスチェンジ」、「東京ゲートウェイ」、「CAMPFIRE」の合計6社が申請取り下げの意向を示している。

仮想通貨交換業者の登録申請取り下げの意向を示した企業

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月10日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

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