• TSRデータインサイト

自転車部品大手のシマノの本社工場で火災

 3月26日13時過ぎ、自転車部品製造では世界的メーカーの(株)シマノ(TSR企業コード:630026289、大阪府堺市、東証1部)の本社工場で火災が発生した。消防車数十台が消火活動にあたり、負傷者はなかった。シマノによると、今回の火災による詳細な被害状況や業績への影響、工場の再開時期は、27日午前時点では不明という。
 シマノは自転車部品の世界的なメーカーで釣具製造も手掛けている。2016年12月期の有価証券報告書によると、本社工場の帳簿価格は建物および構造物が158億8,000万円、機械装置および運搬具が35億8,900万円など、合計290億8,500万円。同報告書では、2016年12月~2017年12月に、製造設備やソフトウェアへ総額135億円の投資計画が記載されていた。

 27日午前、シマノの担当者は東京商工リサーチの取材に応じ、「火災があった工場では、自転車部品や釣具に使われる表面処理のアルマイト工程を手掛けていた。詳細な被害状況は、現時点では分からない。消防・警察の指導を受けながら稼働再開の時期を検討したい」とコメントした。取引先には担当者レベルで個別対応しているという。
 シマノは、27日10時より第111期定時株主総会を開催。28日には2017年12月期の有価証券報告書を提出する予定になっている。なお、2018年2月13日公表の決算短信によると、同期の連結業績は売上高3,358億円(前期比4.0%増)、経常利益557億4,800万円(同20.4%減)、当期純利益384億4,300万円(同24.6%減)。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年3月28日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年3月期決算(6月20日時点) 役員報酬1億円以上の開示は117社・344人

2025年3月期決算の上場企業の株主総会開催が本番を迎えた。6月20日までに2025年3月期の有価証券報告書を510社が提出し、このうち、役員報酬1億円以上の開示は117社で、約5社に1社だった。

2

  • TSRデータインサイト

「想定為替レート」 平均1ドル=141.6円 前期比1.9円円高を想定、4期ぶり円安にブレーキ

主な株式上場メーカー98社の2025年度決算(2026年3月期)の期首ドル想定為替レートは、1ドル=140円が48社(構成比48.9%)と約5割にのぼった。平均値は1ドル=141.6円で、前期に比べ1.9円の円高となった。

3

  • TSRデータインサイト

代金トラブル相次ぐ、中古車販売店の倒産が急増

マイカーを売却したのに入金前に売却先の業者が破たん――。こうしたトラブルが後を絶たない。背景には、中古車価格の上昇や“玉不足”で経営不振に陥った中古車販売店の増加がある。倒産も2025年1-5月までに48件に達し、上半期では過去10年間で最多ペースをたどっている。

4

  • TSRデータインサイト

日産自動車の役員報酬1億円以上開示は5人 内田前社長の報酬額は3億9,000万円

 経営再建中の日産自動車が、2025年3月期決算の有価証券報告書を提出した。報酬額1億円以上の個別開示の人数は5人で、前年と同数だった。

5

  • TSRデータインサイト

2024年上場企業の「個人情報漏えい・紛失」事故 過去最多の189件、漏えい情報は1,586万人分

2024年に上場企業とその子会社が公表した個人情報の漏えい・紛失事故は、189件(前年比8.0%増)で、漏えいした個人情報は1,586万5,611人分(同61.2%減)だった。 事故件数は調査を開始した2012年以降、2021年から4年連続で最多を更新した。

TOPへ