• TSRデータインサイト

タカタ、清算までには「7~8年掛かる」

 11月21日、エアバッグ大手のタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)は中国資本傘下の自動車部品メーカーKey Safety Systems, Inc.(DUNS:180656753、アメリカ、以下KSS)と事業譲渡に関して最終合意に至ったと発表した。譲渡価格は1,750億円(15億8,800万ドル)。タカタは譲渡により得た資金で、民事再生手続きの再生債権などを弁済する方針だ。

タカタ本社受付

タカタ本社受付

譲渡対象の資産と事業

 タカタとKSSは事業譲渡に関して6月に基本合意していた。最終合意により、相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグインフレーターの製造・販売に関する一部資産と事業を除いて、全てKSSへ譲渡されることが決まった。タカタは今後、グループを再編した上で譲渡対象ではない事業を当面継続することになる。
事業譲渡は、2018年3月初めまでに実施されるもよう。ただ、タカタ社内からは「自分が譲渡先へ行くのか、残るのか知らされていない」との声が漏れており、今後詳細の詰めが行われるものとみられる。

事業譲渡先は

 KSSの日本法人として、キー・セイフティ・システムズ・ジャパン(株)(TSR企業コード:294138021、神奈川県)が確認されるが、タカタの担当者は「どの会社が(事業の)受け皿になるかはこれから詰める」と話す。

再生債権の弁済率は

 タカタが東京地裁へ提出した再生債権認否書によると、届出債権は35兆8,393億円に上り、このうち1兆792億円をタカタは再生債権として認めている。ただ、最終的には東京地裁により判断される。
今回の最終合意で、事業譲渡の対価としてタカタは1,750億円をキャッシュで得る。これを元手にアメリカ司法省と司法取引で合意した自動車メーカー向け補償基金への拠出や民事再生後の管理コストの支払い、一般債権の弁済などを行う。このため、一般債権の弁済率は数%にとどまる可能性があるが、タカタの担当者は「様々な利害関係者がいるため、現時点で弁済率に関するコメントはできない」と述べるに留めた。
なお、タカタは11月27日までに東京地裁へ再生計画案を提出する予定。

タカタの今後

 タカタは、譲渡以外の事業を継続したのち、最終的に清算される。タカタの担当者は「交換用インフレーターの製造・販売を継続したのち清算となる。清算の詳細な時期は分からないが、7~8年は掛かると思う」とコメントした。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年11月24日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「建設コンサルタント」 の業績拡大 ~ 災害対策や老朽化修繕など、安全対策が寄与 ~

2025年1月に埼玉県八潮市で発生した下水道管の破損による大規模な道路陥没事故から1年が経過した。事故を機に普段何気なく利用するインフラの老朽化を身近に感じた人も多いだろう。工事を直接担うのは建設会社だがその裏で設計監理する土木工事の「建設コンサルタント」の業績が好調だ

2

  • TSRデータインサイト

病院経営の法人、採算悪化で赤字法人が5割に迫る 収入は微増、利益はコロナ禍から1兆円以上の大幅減

全国で「病院」を経営する6,266法人の直近決算は、約半数にのぼる3,021法人(構成比48.2%)が赤字だったことがわかった。赤字法人率はコロナ禍以降、3年連続で上昇した。

3

  • TSRデータインサイト

2月の「人手不足」倒産 「求人難」が3.3倍に急増 従業員の採用と賃上げで中小企業は苦悩強まる

2026年2月の「人手不足」倒産は47件(前年同月比147.3%増)で、2025年9月の48件以来、5カ月ぶりに40件台に乗せた。2026年1-2月累計は83件(前年同期比45.6%増)で、同期間では調査を開始した2013年以降、最多だった前年の57件を大きく上回り、増勢を強めている。

4

  • TSRデータインサイト

2月の「ゼロゼロ融資」利用後倒産は27件 返済開始の最後のピークを控え、今後増勢の懸念も

2026年2月の「ゼロゼロ融資(実質無利子・無担保融資)」を利用した企業の倒産は、27件(前年同月比18.1%減)で、2カ月連続で前年同月を下回った。

5

  • TSRデータインサイト

2月の「税金滞納」倒産は10件、3カ月ぶりに減少 10件すべて破産、税金滞納が経営再建の障害に

2026年2月の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、10件(前年同月比33.3%減)だった。3カ月ぶりに前年同月を下回り、2月としては2年連続で減少した。

TOPへ