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信販問題に揺れる「ゴルフスタジアム」

「被害者を守る会」が発足

 1,000名を超すレッスンプロと騒動が起きている(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424、東京都港区、堀新社長、以下、ゴルフ社)。ゴルフ社の顧客だったレッスンプロらを中心とする「ゴルフスタジアム被害者を守る会」(以下、「被害者を守る会」)の一部が、5月26日に信販会社相手に提訴する事態に発展している。ゴルフ社は5月に別の裁判でも、大手通信会社に約4億円の支払いを命じる判決を受けたばかりだ。

ゴルフスタジアムが入居するビル(4月26日撮影)

ゴルフスタジアムが入居するビル(4月26日撮影)

 ゴルフ社はレッスンプロらからホームページ作成を受託する一方、レッスンプロらに料金が300万円を超す「ゴルフスイング解析ソフト」を販売。信販会社との分割契約は高額だが、ゴルフ社がレッスンプロらに分割料金とほぼ同額の広告料を支払う「広告取引に関する基本契約」を締結した。契約者らはソフト代金と広告料が相殺され、実質無料と認識しても不思議ではなかった。
 ところが、今年2月にゴルフ社が「資金繰り悪化」を理由に広告料の支払いをストップした。これが今回の訴訟に発展した。支払ストップを受けてレッスンプロらを中心に急遽、「被害者を守る会」が発足した。4月30日に都内で開かれた第一回「被害者を守る会」には、レッスンプロら約100名が出席した。すでに一部のレッスンプロには信販会社から督促がきており、5月26日に第一陣の11名が信販会社に債務不存在を求めて東京地裁に提訴した。

ゴルフスタジアムの現在

 東京商工リサーチ(TSR)情報部は、問題が表面化する直前の3月から堀新社長に何度も取材を申し込んでいたが、ゴルフ社は応じていない。5月19日にも本社を訪問し、取材を申し込んだが受付で取材拒否された。
 ゴルフ社は3月中旬、レッスンプロらに「支払猶予と今後のご提案」を送付している。そこには広告料の支払い遅れの謝罪と、今後も支払いができない状況が続くと記されていた。そして、信販会社に1年間の支払い停止を交渉することを提案し、その弁護士費用はゴルフ社が負担するとしていた。

 ゴルフ社の事業は、ホームページ作成などの「CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)」が主力だ。「被害者の会」によると「3月初めまで新規の契約をとっていた」という。一方、ゴルフ社は「現在は管理などが中心」と話し、新規営業は止まっているようだ。現在、ゴルフ社が手がけるサイトの大半は休止や閉鎖している。
 後述するが、別件の訴訟でゴルフ社は、昨年9月の段階で資金繰りが厳しかったことを明らかにしている。

ゴルフスタジアムが運営する主なサイトの状況

離合集散するグループ会社

 TSR情報部が独自に入手したゴルフ社の資料によると、堀新社長は一時期、通信サービス業のA社の代表を兼任し、同社の全株式はゴルフ社が保有していた。だが、2015年8月31日に株式を売却し、ゴルフ社のグループから外れている。
 ところが、今年4月初めまでゴルフ社の本社入口にはA社の社名案内が掲げられていた。理由を尋ねると、ゴルフ社は「A社はグループ関係ではなくなった」、A社は「わかる者がいない」とコメントしていた。また、2017年2月1日付で堀新社長を代表とするB社が新たに設立された。商業登記の事業目的には、ゴルフ場予約代行やゴルフコンペの企画、WEBサイト制作などが記載されている。

 このほか、不動産管理や各種コンサルティングを事業目的のC社は、ゴルフ社の堀新社長が代表社員と業務執行社員に就いていたが、トラブルが表面化した今年3月21日付け、代表社員を辞任すると同時に、業務執行社員も退社している。

売買代金請求訴訟で全額支払い判決

 今年5月16日、関係者が注目する裁判の判決があった。東京地方裁判所に大手通信会社がゴルフ社を相手取って売買代金の支払いを求めた訴訟だ。
 裁判記録に取引の詳細が記載されている。ゴルフ社の子会社だったA社が、原告の大手通信会社にソフトウェアを販売し、大手通信会社はそのソフトウェアをゴルフ社に、そしてゴルフ社はレッスンプロらに販売していた。しかし、ゴルフ社から大手通信会社への支払いが滞り、売買代金の支払いを求める訴訟となった。大手通信会社は2016年9月で取引を中止している。

 ゴルフ社は、弁論で「経営状況が厳しく、信販会社およびゴルフ関連施設からの売上を運転資金に使用していた」と認めている。さらに「取引が止まると大手通信会社への支払いが滞る旨を伝えていた。だが、取引が打ち切られて支払原資が不足し返済不能に陥った」としている。
 ゴルフ社は「大手通信会社との取引が中止されて以降、各取引先への支払いも滞り、大変厳しい状況にある」と弁明。すでに2016年9月の段階で、資金状況が急激に悪化していたことを自ら明らかにしていた。

 大手通信社はゴルフ社の滞った4億1,472万円(取引件数81件)の支払いを求めて訴訟を起こした。5月16日の判決は大手通信会社の請求原因を認め、ゴルフ社に全額の支払いを命じた。
 判決を受けてゴルフ社に取材したが、再び「取材の対応はしない」。大手通信会社は「当社の主張が全面的に認められたものと考えている」とコメントしている。

 資料をみていくとゴルフ社は仕入代金の支払い期日と信販会社からの回収日の差、約1カ月を利用して資金繰りを維持していたとみられる。だが、レッスンプロらへの広告料の支払いが滞り、信販会社とレッスンプロらの債務問題など重大な局面を招いた。自社の営業手法で「被害者を守る会」が発足し、訴訟に発展した事態をゴルフ社はどう受け止めるのか。関係者への真摯な説明責任を問われている。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年5月29日号掲載の「Weekly Topics」を再編集)

ゴルフスタジアムの業績推移

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