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「三重銀行・第三銀行取引企業」調査

 1月5日、三重銀行(四日市市)と第三銀行(松阪市)が経営統合に向け交渉に入ったことが明らかになった。2行合算の連結ベース総資産(2016年9月中間期)は3兆9,663億円で、三重県内トップの百五銀行(津市)の5兆3,822億円に迫る規模になる。
 東京商工リサーチでは保有する国内最大級の企業データベースを活用し、三重銀行と第三銀行、百五銀行をメインバンクとする企業を調査した。これによるとメインバンクの企業数は三重銀行が3,413社、第三銀行が4,149社の合計7,562社に達し、百五銀行の9,690社も視野に入ってくる。
 2行の統合をデータで見る限り、取引企業の地域間の重複は多くなく、産業別の構成は同様の水準で、統合による一定の効果は期待できるようだ。


  • ※本調査は、東京商工リサーチの企業データベース(対象398万社)から、三重銀行・第三銀行をメイン取引の企業を集計、分析した。メインバンクが複数ある場合は、最上位行をメインバンクとして集計した。

各金融機関の概要

2行がメインバンクの企業は7,562社

 三重銀行をメインとする企業は3,413社、第三銀行が4,149社で合計7,562社。三重県内トップの百五銀行は9,690社だった。
 三重銀行をメインとする3,413社の本社所在地は、三重県が2,848社(構成比83.4%)であるのに対し、県外は565社(同16.6%)だった。一方、第三銀行をメインとする4,149社は、三重県が2,867社(同69.1%)に対し、県外は1,282社(同30.9%)だった。第三銀行は愛知の他、和歌山、大阪と近畿圏が目立ち、県内比率は三重銀行が14.3ポイント上回る。
 三重銀行をメインバンクとする3,413社のうち、第三銀行とも取引のある企業は433社(構成比12.6%)。一方、第三銀行をメインバンクとする4,149社のうち、三重銀行とも取引のある企業は352社(同8.4%)で、全体の1割程度にとどまり2行の取引先の重複は少ない。

三重銀行・第三銀行をメインバンクとする都道府県別企業数

産業別 貸出先構成に大差はない

 三重銀行がメインバンクの3,413社を産業別でみると、トップは建設業で1,358社(構成比39.7%)。次いで、飲食業や宿泊業などを含むサービス業他の528社(同15.4%)、製造業の498社(同14.5%)、卸売業337社(同9.8%)の順。
 一方、第三銀行がメインバンクの4,149社の産業別は、トップが建設業の1,615社(同38.9%)。次いで、サービス業他714社(同17.2%)、製造業509社(同12.2%)と続く。産業別構成比では2行ともほぼ同じ水準で、これまで蓄積した産業別ノウハウを共有できるメリットも期待される。

三重銀行・第三銀行をメインバンクとする産業別企業数

リスク管理債権 三重銀行は減少、第三銀行は増加

 2016年9月中間期の単独決算ベースで、2行のリスク管理債権(破綻先債権、延滞債権、3カ月延滞債権、貸出条件緩和債権)を比較した。
 三重銀行のリスク管理債権は215億9,900万円(前年同期比17.2%減)に対し、第三銀行は230億500万円(同0.9%増)で、金額ベースはほぼ同水準だった。

両行のリスク管理債権・単独決算ベース

2016年3月期 中小企業等向け貸出金残高調査

 地域金融機関は、2016年4月に横浜銀行(横浜市)と東日本銀行(東京都中央区)がコンコルディア・フィナンシャルグループ(東京都中央区)を設立して経営統合した。10月には常陽銀行(水戸市)と足利ホールディングス(東京都中央区)が統合し、めぶきフィナンシャルグループが発足するなど、活発な動きが相次いでいる。
 金融庁は、2016年9月に公表した「金融レポート」の中で「(本業での利益が)2025年3月期では6割を超える地域銀行がマイナスになる」と試算した。また、10月に公表した「金融行政方針」などで、顧客企業へのコンサルティングや事業再生支援等を通じた良質なサービスの提供の在り方について地域金融機関と対話強化の姿勢を鮮明にしている。
 三重銀行と第三銀行をメインバンクとする企業は7,562社で、三重県内の企業は百五銀行と二分される。特に、2行の中小企業向け貸出金額の合計は1兆9,089億4,900万円で、百五銀行の1兆9,141億6,400万円とほぼ互角の規模になる(2016年3月期決算単体ベース)。
 地域経済の活性化には、事業性評価を通じたコンサルティングや経営サポートが欠かせない。2行統合が実現した場合、規模的に県内トップ行の百五銀行と拮抗する金融グループが出現することになる。これを受けて信金などを含めた地元の金融機関が中小企業育成にどう取り組むか今後の展開が注目される。

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