太洋社に連鎖した書店の倒産・休廃業調査(3月30日時点)
出版取次中堅の(株)太洋社(TSR企業コード:290893208、法人番号:9010001049176、千代田区)の経営破たんの影響が広がっている。太洋社の自主廃業から破産の動きに連鎖した書店の倒産は1社、休廃業は17社(個人企業含む)・19店舗となった(3月30日時点)。
太洋社は、2月5日に自主廃業の方針を明らかにしたものの、資産内容を精査した結果、売掛債権が予想以上に毀損していることが判明。このため、債務の弁済が出来なくなり、3月15日に東京地裁へ破産申請し同日、開始決定を受けた。
破産申立書によると、2月8日時点で249社の書店との取引があった。帳合変更を進めた結果、3月15日には「事業の廃止を決定した書店を除くと(帳合変更がなされた数は)96.5%に及ぶ」と太洋社は公表したが、「事業の廃止を決定した」書店数は明らかにしていない。
今回の調査で、太洋社と取引があった書店の18社(構成比7.2%)が倒産や休廃業に追い込まれたことが分かった。取次業者は、通常の卸売業と異なり流通とファイナンス機能も兼ね備えているが、かねてより取次と書店の過度な依存関係はリスク要因と指摘されてきた。太洋社の経営破たんにより相次いでいる書店の倒産、休廃業は、このリスクが顕在化した格好だ。