2014年上半期「主な上場企業 希望・早期退職者募集状況」
2014年上半期(1-6月)に希望・早期退職者の募集実施を公表した上場企業は21社で、前年同期と比べて半減した。「アベノミクス」による円安と株価上昇を伴った業績回復で、上場企業の人員削減の動きは影を潜めた。
- ※本調査は、上場企業を対象に2014年1月以降の希望・早期退職者募集実施を情報開示し、具体的な内容を確認できた企業を抽出した。希望・早期退職者の募集予定を発表したものの実施に至らない企業、および上場企業の子会社(未上場)は対象から除いた。資料は、原則として会社情報適時開示の『会社情報に関する公開資料』(2014年6月30日公表分まで)に基づく。
希望・早期退職者募集実施の上場企業 上半期21社
2014年上半期に希望・早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は、具体的な内容を確認できた分で21社が判明した。前年同期(41社)より半減し、上場企業の希望退職者募集は一服した。産業別で最も多かったのは、ルネサスエレクトロニクス、JVCケンウッドなど電気機器の4社だった。市場区分では、東証1部上場が8社、ジャスダック上場が8社、東証2部上場が5社の順だった。
募集または応募人数100人以上が7社
募集人数(募集人数不明の場合は応募人数)の最多は、東京電力の応募1,151人。次いで、ルネサスエレクトロニクス(グループ会社を含む)の応募696人、JVCケンウッド(グループ会社を含む)400人、エーザイの応募396人、三菱製紙(グループ会社を含む)200人、マツヤの120人(応募123人)、大陽日酸の100人(応募87人)と続く。募集または応募人数が100人以上は7社(前年同期22社)だった。
人手不足が話題になるなか、2014年上半期の上場企業の希望・早期退職者募集は、業績回復を反映して実施企業が大幅に減少した。ただし、いまだ景気回復の波に乗れない業種や、景気回復時だからこそ、需要の先細りが予想される事業の撤退や不採算事業の見直しを断行する企業もあって、まだ流動的な部分を残している。