2013年主な上場企業 希望・早期退職者募集状況調査(2月7日現在) ~ 募集実施企業数が年初から急増、1カ月余りで26社にのぼる ~
円高修正と株高で上場企業の業績修正が目立つが、足元では2013年に入り希望・早期退職者募集を実施した上場企業が26社(2月7日現在)と急増している。産業別でも広がりをみせており、今後の推移が注目される。
- ※本調査は、上場企業を対象に2013年1月以降、希望・早期退職者募集の実施を情報開示し、具体的な内容を確認できた企業を抽出した。希望・早期退職者の募集予定を発表したものの実施に至らない企業、および上場企業の子会社(未上場)は対象から除いた。資料は、原則として会社情報適時開示の『会社情報に関する公開資料』(2013年2月7日公表分まで)に基づく。
希望・早期退職者募集実施の上場企業数は26社
2013年に希望・早期退職者募集の実施を公表した主な上場企業は、具体的な内容が確認できただけで26社にのぼった。調査対象が公表ベースのため単純比較は難しいが、ほぼ1カ月ですでに前年の3分の1に達している。
また、同期間(1月~2月7日)では、リーマン・ショック直後の2009年の55社には及ばないが、世界同時不況の余波が続いた2010年の26社と並んだ。2011年(10社)、2012年(9社)は落ち着いていただけに、業績回復ペースの鈍さと企業の強い収益改善への取り組みを反映している。
募集人数が100人以上が11社
募集人数が最も多かったのは、日本無線の650人。次いでロームの250人(応募219人)、三陽商会の230人、JUKIの200人、タムラ製作所の200人、淺沼組の150人、タカラトミーの150人、双葉電子工業の150人、エフテックの150人、電通の100人、フジクラの100人と続く。募集人数が100人以上は11社だった。産業別で最も多かったのは、電気機器の6社。次いで、化学3社、非鉄金属・サービス・建設・機械が各2社と続く。
株価上昇や外国為替市場で歴史的円高が円安に振れるなど、国内景気には変化の芽が出てきている。だが、上場企業の2012年4-12月決算は、業績見通しを下方修正する企業も相次いでいる。円安効果が業績に反映するには、企業や業種により温度差がある。また、今後は業績に関係なく、新たな分野への参入に伴う人員削減も懸念される。年度末までは、上場企業の希望退職者募集は増加をたどる可能性が高く、このペースで推移すると4年ぶりに年間100社を超える可能性もある。