コンプライアンスチェックの基礎知識

企業間取引においては、取引先が信用できる相手か、取引にリスクは無いかを見極めることが重要です。そのリスク評価において重要なチェックポイントとしては、主に財務面から判断をおこなう「与信」と、法令や企業倫理、地域における政治や社会情勢などの非財務面から判断をおこなう「コンプライアンスチェック」が挙げられます。

「与信」については直接的に自社の利害に影響するものであり、すでに何かしらの方法で「与信」を取り入れられている企業が多いのではないかと思います。TSRでも与信管理の定番ツールである国内企業調査レポート「TSR REPORT」をはじめ、様々な与信関連サービスをご提供し、企業の与信判断をサポートしてきました。

そして、近年では非財務面での評価として、取引先が犯罪行為をおこなっていたり間接的に加担していないか、関連会社や利害関係者に犯罪歴などのネガティブ情報は無いかといった「コンプライアンスチェック」を重視する企業が増えています。

その背景としては、主に金融機関においてアンチ・マネー・ローンダリング(AML)やテロ資金供与対策(CFT)への対応強化が求められている点や、ロシア・ウクライナ問題やパレスチナ問題のような国や地域が抱える地政学リスクの高まりなどが挙げられます。

2つのリスク評価軸

与信とコンプライアンスチェックの関係図

なお、「与信」については「失敗しない与信管理」コーナーで詳しく紹介していますので、ぜひご覧ください。

ここでは、コンプライアンスチェックについてどのような対策が必要なのかをさらに掘り下げて説明いたします。

コンプライアンスチェックで重要な2つの観点

①AML/CFT:取引先が犯罪に直接的・間接的に加担していないか

取引先が、実態のある企業なのか、テロ行為などの犯罪により経済制裁の対象となっている個人・団体のリスト「制裁リスト」に掲載されていないか、メディアなどで過去に犯罪などのネガティブ情報が報じられていないかといった点をチェックします。その際、当該企業だけではなく、関連会社や実質的にその企業を支配している者も包括的にチェックする必要があります。

これは、金融庁が公表している「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドライン」にて対応を強く求められている金融機関などの特定事業者はもちろん、それ以外の企業でも海外企業との取引をする際は十分に注意し、知らないうちに犯罪に加担している団体と取引をおこなっているということが無いよう気を付けておくべきと言えます。

日本におけるAMLとCFTの流れの詳細はこちら

効率的なコンプライアンスチェックとTSRのソリューションの詳細はこちら

②地政学リスク:政治・軍事・社会などその地域が抱える独自のリスク

地政学とは「地理学」と「政治学」を合わせた言葉で、特定の国や地域が抱える政治・軍事・社会のリスクを地政学と呼んでいます。例えば、近年ではロシア・ウクライナ問題においてロシア関連の制裁が多く発令されていますが、各企業は制裁対象者だけでなくその所有構造の理解、顧客の実態特定とスクリーニング、さらには継続的なモニタリングなどあらゆる対策を講じなければ、知らないうちに制裁対象の企業とビジネスを始めてしまい、結果として自社も制裁を受ける危険性が考えられます。他にも、戦争や紛争、政治、気候、宗教など様々な要因が引き起こすビジネスリスクについて包括的に把握し評価・対応できる体制を整えておく必要があります。

高まりつつある地政学リスクとその備えの詳細はこちら

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