• TSR速報

(株)A-ONE

A-ONEの本社

A-ONEの本社

 (株)A-ONE(三重県伊勢市)は5月16日、津地裁伊勢支部より破産開始決定を受けた。
 破産管財人には北薗太弁護士(北薗法律事務所、津市羽所町345)が選任された。
 負債総額は債権者35名に対して33億861万円

 1969年5月創業。イカ、タコ、エビ、ハマグリなど冷凍魚介類の販売を手掛け、本社のほか沖縄県にも事業所を構え、同所より海産物を供給していた。また、インドネシアやタイなど海外にも調達先を確保し、2013年にはモザンビークに子会社を設立してハマグリ、タコ等の輸入を開始。国内・海外にて調達した水産物を大手水産物商社や量販店などへ納入し、一部はアジア圏への輸出も行い、ピーク時の2013年9月期は売上高59億134万円を計上した。
 しかし、もともと採算性は低く、たびたび赤字を計上していたことから、余裕のない資金繰りが続いていた。また、月商の3倍以上に達する在庫保有や海外企業への貸付金も重荷となり、借入依存度は高まっていた。
 2023年9月期も約34億8500万円の売上高を計上したものの、依然として採算面の改善には至らないなか、近時は円安基調により輸入品の仕入負担が高まっていたうえ、当社が不適切な取引を行っていたとの噂が拡散したことで、通常営業にも支障を来たす事態となり、支え切れず、今回の措置となった。

※(株)A-ONE(TSR企業コード:521003288、法人番号:2190001006546、伊勢市小木町61、設立1974(昭和49)年2月、資本金1050万円)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月の「人手不足」倒産が過去最多 「従業員退職」が前年の1.6倍増、初の年間300件超へ

2025年9月に「人手不足」が一因となった倒産は、調査を開始した2013年以降では月間最多の46件(前年同月比109.0%増)を記録した。また、2025年1-9月累計も、過去最多の285件(前年同期比31.3%増)に達し、人手不足はより深刻さを増していることがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

ケーキや和菓子は「高値の花」に、スイーツ店が苦境 倒産は過去20年で最多ペース、競合商品も台頭

街のスイーツ店が苦境に陥っている。材料コストの上昇、酷暑、人手不足が重なり、商品値上げによる高級化も購入機会の減少につながったようだ。2025年1-9月の菓子製造小売の倒産は、過去20年で最多の37件に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年1-9月「後継者難」倒産が過去2番目 332件 高齢化が加速、事業承継の支援が急務

代表の高齢化が進み、後継者が不在のため事業に行き詰まる企業が高止まりしている。2025年1-9月の「後継者難」倒産(負債1,000万円以上)は332件(前年同期比4.5%減)で、2年ぶりに前年同期を下回った。だが、2025年は過去最多だった前年同期の348件に次ぐ、過去2番目の高水準だった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年 全国160万5,166社の“メインバンク“調査

全国160万5,166社の“メインバンク”は、三菱UFJ銀行(12万7,264社)が13年連続トップだった。2位は三井住友銀行(10万1,697社)、3位はみずほ銀行(8万840社)で、メガバンク3行が上位を占めた。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度上半期の「円安」倒産30件 仕入コスト上昇が卸売業を直撃

2025年度上半期(4-9月)の「円安」関連倒産は、30件(前年同期比31.8%減)だった。上半期では、2022年度以降の円安では前年度の44件に次いで、2番目の高水準になった。

TOPへ