• TSR速報

堀正工業(株)

堀正工業の入居ビル(TSR撮影)

堀正工業の入居ビル(TSR撮影)

粉飾決算が発覚

 堀正工業(株)(品川区)は6月9日、事業を停止し、債務整理を大野了一弁護士(虎ノ門南法律事務所、港区虎ノ門1-15-12)に一任した。同日、堀正工業の担当者が明らかにした。
 負債総額は約330億円。

 1933年創業の老舗ベアリング専門商社。大手ベアリングメーカーNTN(株)(大阪市西区)の代理店として同社製品を中心に取り扱い、国内メーカーなどに営業基盤を築いていた。都内の製品センターに加え、関西、相模原、北関東に営業所を構えるほか、中国や香港に現地法人を開設するなど意欲的に事業拡大を進め、2012年9月期に約48億円だった売上高は2021年9月期には約63億1100万円を計上。またこの間、利益面でも毎期3億円前後を計上し、好調な業績を公表していた。
 2022年9月期もコロナ禍の影響も少なく、売上高は過去最高を更新する約68億600万円に達し、原価高騰分には価格転嫁を通じて対応したとされ、利益も約4億7700万円を計上していた。

 ところが、2023年5月以降、借入金の金額や相手先などをめぐって決算を大幅に粉飾していたことが発覚。金融機関毎に異なる複数の決算書の存在などが明らかになったことで、信用が一気に低下した。
 6月に入り、各取引金融機関が当社に対して状況説明を求めるなどしていたが、借入債務が多額にわたり、事業継続が困難となった。

※堀正工業(株)(TSR企業コード:291038832、法人番号:9010401027715、品川区西五反田1-23-9、登記上:港区西新橋1-10-7、設立1948(昭和23)年9月、資本金2000万円)
※NTN(株)(TSR企業コード:570384370、法人番号:3120001048981、大阪市西区、東証プライム)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「人手不足」企業、69.3%で前年よりも悪化 建設業は8割超が「正社員不足」で対策急務

コロナ禍からの経済活動の再活性化で人手不足が深刻さを増し、「正社員不足」を訴える企業が増加している。特に、2024年問題や少子高齢化による生産年齢人口の減少などが、人手不足に拍車をかけている。

2

  • TSRデータインサイト

「食品業」倒産 2年連続増加の653件 原材料やエネルギー価格、人件費上昇が負担

歴史的な円安が続くなか、歯止めが掛からない食材の価格上昇、人件費などのコストアップが食品業界の経営を圧迫している。2023年度(4-3月)の「食品業」の倒産(負債1,000万円以上)は653件(前年度比16.3%増)で、2年連続で前年度を上回った。

3

  • TSRデータインサイト

【破綻の構図】テックコーポレーションと不自然な割引手形

環境関連機器を開発していた(株)テックコーポレーションが3月18日、広島地裁から破産開始決定を受けた。 直近の決算書(2023年7月期)では負債総額は32億8,741万円だが、破産申立書では約6倍の191億円に膨らむ。 突然の破産の真相を東京商工リサーチが追った。

4

  • TSRデータインサイト

2024年の「中堅企業」は9,229社 企業支援の枠組み新設で、成長を促進し未来志向へ

東京商工リサーチの企業データベースでは、2024年3月時点で「中堅企業」は9,229社(前年比1.2%増、構成比0.7%)あることがわかった。うち2023年の中小企業が、2024年に「中堅企業」に規模を拡大した企業は399社だった。一方、「中堅企業」から「中小企業」へ規模が縮小した企業も311社みられた。

5

  • TSRデータインサイト

「経営者保証」 75%の企業が「外したい」 保証料率の上昇、金融機関との関係悪化を懸念する声も

資金調達時の経営者(個人)保証について、「外したい」と回答した企業が75.5%にのぼり、経営者保証に拠らない融資へのニーズが大きいことがわかった。ただ、保証料率の上乗せや金融機関との関係悪化を懸念して経営者保証を外すことに慎重な企業も多い。

記事カテゴリを表示
記事カテゴリを閉じる

プリントアウト

RSS

CLOSE
TOPへ