全国企業倒産状況

2010年(平成22年)11月度 全国企業倒産状況

倒産件数 1,061件
負債総額 2,738億3,000万円
前月比(件数) -6.6%(前月 1,136件)
前月比(負債) -47.3%(前月 5,200億5,000万円)
前年同月比(件数) -6.2%(前年同月 1,132件)
前年同月比(負債) -60.5%(前年同月 6,948億3,300万円)

(負債総額1,000万円以上の倒産を集計、%は小数点2位以下切捨)

倒産件数が前年同月比6.2%減の1,061件 16カ月連続して前年同月を下回る


 2010(平成22)年11月度の全国企業倒産件数(負債額1,000万円以上)は1,061件、負債総額が2,738億3,000万円となった。

 倒産件数は、前年同月比6.2%減で16カ月連続で前年同月を下回った。依然として「景気対応緊急保証制度」や「中小企業金融円滑化法」などの金融支援策の効果が続いている。しかし、前年同月比では3カ月連続1ケタの減少率で、減少幅は縮小している。

 

 負債総額は、同60.5%減で3カ月ぶりに前年同月を下回り、今年3番目に少ない金額だった。大幅に減少したのは、負債1000億円以上の大型倒産が今年8月以来のゼロだったほか、前年同月に(株)ロプロ(負債2,500億円)と(株)穴吹工務店(同1,388億円)が発生した反動が大きい。また、負債1億円未満が68.5%、従業員5人未満が67.8%を占めるなど、倒産が小・零細規模を中心に推移していることも影響した。

企業倒産月次推移


産業別


産業別倒産件数 10産業のうち7産業で前年同月を下回る

 減少率は、農・林・漁・鉱業の63.6%減(11→4件)を筆頭に、金融・保険業42.8%減(7→4件)、 運輸業39.4%減(38→23件)、不動産業29.2%減(41→29件)、製造業19.6%減(188→151件)、小売業8.3%減(132→121件)、建設業5.1%減(290→275件)の順。

 これに対して増加は、サービス業他10.5%増(217→240件)、卸売業3.0%増(163→168件)、情報通信業2.2%増(45→46件)の3産業だった。


 

産業別分類 件数(件) 負債額(百万円)
農・林・漁・鉱業 4 1,876
建設業 275 37,335
製造業 151 42,813
卸売業 168 38,613
小売業 121 10,993
金融・保険業 4 7,552
不動産業 29 57,827
運輸業 23 1,700
情報通信業 46 5,033
サービス業他 240 70,088
合計 1,061 273,830


 ※業種分類のコード(日本標準産業分類に基づく)改訂に伴い、弊社データベースは2009年1月度より新業種分類に移行した。各数値は新業種コードに基づく。

主要産業倒産件数推移


地区別

地区別倒産件数 9地区のうち5地区で前年同月を下回る

 減少率は、中国45.8%減(48→26件)、四国43.7%減(32→18件)、北陸41.4%減(41→24件)、中部27.7%減(148→107件)、九州23.1%減(82→63件)の順だった。

 これに対して増加は、関東7.7%増(400→431件)、北海道5.7%増(35→37件)、東北3.9%増(51→53件)、近畿の2.3%増(295→302件)の4地区だった。

 

北海道:全体の件数が、2カ月ぶりに増加。

 

東北:全体の件数が、8カ月ぶりに前年同月比増加。県別では、岩手、山形、福島で前年同月比増加。

 

関東:全体の件数が、1年3カ月ぶりに前年同月比増加。県別では、栃木、埼玉、千葉、東京、神奈川で前年同月比増加。

 

中部北陸:全体の件数が、中部は6カ月連続で前年同月比減少。北陸は2カ月連続で前年同月比減少。県別件数では、福井のみ前年同月比増加。

  

近畿:全体の件数が、2カ月連続で前年同月比増加。県別では、兵庫、和歌山で前年同月比増加。

 

中国:全体の件数が、15カ月連続の前年同月比減少で今年最少。県別では、鳥取、島根を除いて前年同月比減少。

 

四国:全体の件数が、2カ月連続で前年同月比減少で今年最少。県別では、徳島のみ前年同月比増加。

 

九州:全体の件数が、2カ月連続で前年同月比減少。県別件数では、宮崎のみ前年同月比増加。

 

 

都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
北海道 37 9,648
東北 53 21,864
青森 7 6,625
岩手 6 1,362
宮城 15 5,380
秋田 6 940
山形 8 1,136
福島 11 6,421
関東 431 103,746
茨城 16 15,111
栃木 12 3,894
群馬 11 5,017
埼玉 51 8,496
千葉 32 10,484
東京 228 46,499
神奈川 69 12,038
新潟 10 2,076
山梨 2 131
中部 107 21,181
長野 9 643
岐阜 14 3,239
静岡 17 9,013
愛知 61 7,281
三重 6 1,005
北陸 24 6,243
富山 5 604
石川 11 1,739
福井 8 3,900
都道府県 件数(件) 負債額(百万円)
近畿 302 93,252
滋賀 10 1,824
京都 32 4,988
大阪 162 61,029
兵庫 73 22,968
奈良 10 443
和歌山 15 2,000
中国 26 5,314
鳥取 3 390
島根 3 760
岡山 8 3,081
広島 8 633
山口 4 450
四国 18 2,647
徳島 7 300
香川 5 857
愛媛 4 1,270
高知 2 220
九州 63 9,935
福岡 29 3,045
佐賀 3 265
長崎 4 587
熊本 10 1,866
大分 3 727
宮崎 6 570
鹿児島 2 2,016
沖縄 6 859
合計 1,061 273,830


 ※地区の範囲は以下に定義している。

関東(茨城、栃木、群馬、埼玉、千葉、東京、神奈川、新潟、山梨)

中部(長野、岐阜、静岡、愛知、三重)

北陸(富山、石川、福井)

近畿(滋賀、京都、大阪、兵庫、奈良、和歌山)


 

◎産業別件数:卸売業が1年5カ月ぶりに前年同月を上回る

◎「円高」関連倒産が5件発生、今年は11月末時点で前年同期比約3倍増の63件

◎原因別:販売不振を中心とした「不況型」倒産の構成比が高率の83.6%

◎主な業種別件数:宿泊業(6→12件)、旅行業(4→7件)、飲食業(60→71件)など

◎上場企業倒産:4カ月ぶりにゼロ、今年は11月末時点で累計9件(前年同期20件)

◎従業員被害者数:今年最少の6,658人

◎中小企業倒産(中小企業基本法に基づく)は、前年同月比6.1%減の1,057件

当月の主な倒産


木村産業(株)/大阪府/不動産賃貸/350億円/特別清算

(株)森脇工務店/大阪府/戸建分譲/74億円/破産

TLC(株)/東京都/金銭債権取得・管理ほか/63億7,200万円/破産

エーアイエス(株)/青森県/カラーフィルター・タッチパネルセンサー製造/57億7,300万円/破産

松飛台(株)/千葉県/スポーツ関連器具製造/48億円/特別清算


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