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ロシアのウクライナ侵攻から1年「調達コスト増加」は86.8%に上昇、国内回帰は3.2%

 ~原材料・資材の「調達難・コスト上昇に関するアンケート」調査(2023年2月)~

 ロシアのウクライナ侵攻やコロナ禍から経済活性化に向けた動きなどで原油・原材料の高騰が続くなか、資材の調達コストが増加した企業は86.8%と約9割にのぼることがわかった。前回調査(12月1日~8日)から2.0ポイント上昇した。 また、コスト増加分を販売価格に「転嫁できていない」企業は53.8%と半数を超え、増加分をすべて転嫁できた企業はわずか1.8%にとどまった。

 東京商工リサーチは2月初旬にアンケート調査を実施した。世界的な原材料不足やサプライチェーンの混乱で、生産や販売などに必要な原材料、部品調達に遅れが生じている企業は72.6%で、前回調査から1.7ポイント悪化した。また、工場の国内回帰は2.6%にとどまった。
こうした事態を背景に、原材料や部品の円滑な調達に向けた取り組みとして、「調達先の分散」や「在庫の積み増し」を挙げる企業が多い。ただ、小口発注は収益の悪化や資産回転率の悪化につながりやすく、資金繰りにも影響しかねない。コロナ禍からの出口を前に、国内企業はコスト上昇と資金効率の低下のダブルパンチに見舞われている。

  • 本調査は、2023年2月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施し、有効回答4,701社を集計・分析した。
    前回調査は、2022年12月14日公表(アンケート期間:12月1日~8日)。
    資本金1億円以上を大企業、1億円未満(個人企業等を含む)を中小企業と定義した。


Q1.世界的な原油・原材料価格の高騰によって、貴社は調達コスト増加の影響を受けていますか?(択一回答)


「調達コストが増加」が86.8%

 調達コストについて、「影響を受けている」が86.8%(4,701社中、4,084社)で、最も多かった。また、「現時点で受けていないが、今後影響が見込まれる」が8.4%(398社)で、合計95.3%の企業が調達コストの増加に言及した。前回調査では92.1%(「影響を受けている」84.8%、「今後影響が見込まれる」7.3%)で、3.2ポイント上昇した。
「受けている」、「見込まれる」と回答した企業を業種別(中分類、母数20以上)でみると、「化学工業」、「パルプ・紙・紙加工品製造業」など7業種で100%だった。

調達難アンケート

Q2.Q1で「影響を受けている」と回答された方に伺います。前年1月と比較してコストは何%上昇していますか?


最多は「10~20%未満」で約4割

 最多は「10~20%未満」の39.7%(2,281社中、906社)で、約4割に達した。次いで、「10%未満」が35.0%(799社)、「20~30%未満」が15.2%(348社)だった。
一方、「100%以上」も2.3%(54社)あり、深刻なコスト上昇が広がっている。
規模別でみると、「10%未満」は大企業で37.4%(195社中、73社)、中小企業で34.8%(2,086社中、726社)だった。一方、「100%」以上は大企業で4.6%(9社)、中小企業で2.1%(45社)だった。

調達難アンケート

Q3.Q1で「影響を受けている」と回答された方に伺います。原油・原材料の高騰に伴うコスト増のうち、何割を価格転嫁できていますか?


5割超が「転嫁できていない」

 「転嫁できていない」は53.8%(2,810社中、1,512社)と5割超に達した。一方、「全額転嫁」は1.8%(52社)にとどまった。
規模別では、「転嫁できていない」は大企業が58.6%(295社中、173社)に対し、中小企業は53.2%(2,515社中、1,339社)だった。
「転嫁できていない」と回答した企業の業種別(中分類、母数20以上)は、「社会保険・社会福祉・介護事業」の90.4%(21社中、19社)を最高に、「情報サービス業」90.0%(70社中、63社)、「技術サービス業」83.3%(24社中、20社)と続く。

調達難アンケート

Q4.世界的な原材料不足に伴い、貴社の商品・サービスの生産・販売に関して、必要となる原材料や部品の調達遅れは生じていますか?(択一回答)


「調達遅れが生じている」が 72.6%

 最多は、調達遅れが「昨年と変わらず生じている」の34.4%(4,500社中、1,551社)。また、「昨年より悪化している」は14.2%(643社)、「昨年に比べて正常化しつつある」は23.9%(1,076社)だった。これらを合計した「調達遅れが生じている」は72.6%にのぼる。
前回調査では、それぞれ29.5%、22.6%、18.7%で、「調達遅れが生じている」は合計70.9%だった。

調達難アンケート

Q5.Q4で「昨年より悪化している」、「昨年と変わらず生じている」、「生じているが、昨年に比べて正常化しつつある」と回答した方に伺います。原材料や部品の円滑な調達に向けて、現在どのような対応策を取っている(取る予定)ですか?(複数回答)


「国内回帰」は2.6%

 Q4で、調達遅れが「生じている」と答えた企業のうち、3,024社から回答を得た。
最も多かったのは、「調達先の分散」の48.9%(1,481社、前回48.9%)だった。以下、「在庫の積み増し」の43.7%(1,322社、同44.9%)、「代替的な原材料、部品への切り替え」の36.0%(1,089社、同35.4%)と続く。
「生産拠点の変更」に関連する回答では、「国内回帰」が2.6%(79社、同3.2%)、「国内回帰以外」が3.2%(97社、同4.1%)で、ともに前回調査よりも減少した。
一方で、「対策は取っていない」と回答した企業は15.6%(474社、同16.2%)にのぼった。

調達難アンケート

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