• TSRデータインサイト

コロナ禍の企業活動への影響、「すでに収束」は24.2%で過去最高 ~ 第26回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査 ~

 新型コロナウイルスの企業活動への影響について、「すでに収束した」と回答した企業は24.2%で、2020年8月に設問を設定して以来、最高となった。
 政府は、感染法上の分類を5月8日付での季節性インフルエンザと同等の5類への引き下げを決定し、経済活動の活性化へ舵を切った。ただ、今年は「倒産や私的整理、廃業が増加する」と見込んでいる企業が88.8%と、約9割に達し、コロナ支援の反動に身構える企業は多い。経済のアクセルを踏み込みつつ、事業継続の瀬戸際にある企業への目配せも必要で、慎重な経済運営が政府、行政に求められている。

 今年1月10日からスタートした「コロナ借換保証」の利用率(中小企業)は4.8%だった。ただ、「利用する予定」は8.4%で、合計13.2%の企業が利用に言及している。一方、「コロナ借換保証を知らない」は16.0%にのぼり、制度認知に時間を要している。この制度は、ゼロ・ゼロ融資などの返済負担の軽減に加え、事業再構築などを伴走支援者と推進するものだ。だが、資金繰りに追われる中小・零細企業の利用にはハードルが高く、「余裕を残した企業」だけの活用を懸念する声もある。ポストコロナに向け、過剰債務を抱えた企業の破たん回避に注目が集まりやすいが、成長に向けた足場固めの周知も必要だろう。

  •   ※本調査は2月1日~8日にインターネットによるアンケート調査を実施。有効回答4,939社を集計分析した。
    ※ 前回(第25回)調査は、2022年12月16日公表(調査期間:2022年12月1日~8日)。
    ※ 資本金1億円以上を大企業、1億円未満や個人企業等を中小企業と定義した。


Q.新型コロナウイルスの発生は、企業活動に影響を及ぼしていますか?(択一回答)

「影響が継続」は60.4%、3.3ポイント改善

 最多は、コロナ禍の「影響が継続している」で60.4%(4,939社中、2,986社)だった。前回調査(12月)は63.7%だったが、3.3ポイント改善した。また、「影響が出たがすでに収束した」は24.2%(1,198社)だった。
規模別では、「影響が継続している」は、大企業が61.6%(655社中、404社)なのに対して、中小企業は60.2%(4,284社中、2,582社)だった。前回はそれぞれ66.2%、63.3%で、いずれも改善した。
本設問を設定した2020年8月以来、「影響が継続」は全企業、大企業、中小企業ともに過去最低、「すでに収束」は過去最高となった。

新型コロナ影響



    本調査結果の詳細はPDFファイルをご覧ください。

    第26回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査[PDF:1.45MB]PDFファイルへのリンクです。



    記事の引用・リンクについて

    記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

    (記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
    詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

    人気記事ランキング

    • TSRデータインサイト

    政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

    企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

    2

    • TSRデータインサイト

    中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

    事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

    3

    • TSRデータインサイト

    2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

    2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

    4

    • TSRデータインサイト

    2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

    ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

    5

    • TSRデータインサイト

    【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

    全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

    TOPへ