• TSRデータインサイト

ワタベウェディング、事業再生ADR申請=スポンサーは興和に

 ブライダル大手のワタベウェディング(株)(TSR企業コード:641093977、東証1部)は3月19日、事業再生ADRを申請したと発表した。新型コロナの影響で主力の海外挙式が実施不能になるなど業績が悪化し、2020年12月期(連結)で債務超過に転落していた。スポンサーの興和(株)(TSR企業コード:400028000、名古屋市中区)の完全子会社となる計画。

 事業再生ADRは、挙式や婚礼などを予約している一般顧客や取引をしている一般企業は影響を受けない手続きで、ワタベウェディングも通常通りにサービスを提供していくという。

 ワタベウェディングの発表資料によると、興和を割当先とする総額20億円の第三者割当増資を実施することなどを決議した。ワタベウェディングは、新型コロナによる業績悪化で2021年3月末に弁済期限が到来する借入金について、約定通りに返済することが困難になっていた。

 3月19日、事業再生ADRを申請し同日、受理された。対象となる金融機関に対して、借入金元本の返済一時停止等の通知書を送付した。第1回債権者会議は、4月5日を予定。5月27日ごろに開催予定の第3回債権者会議で事業再生計画の成立を目指す。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2024年度「人手不足倒産予備軍」  ~ 今後は「人材採用力」の強化が事業継続のカギ ~

賃上げ圧力も増すなか他社との待遇格差で十分な人材確保ができなかった企業、価格転嫁が賃上げに追い付かず、資金繰りが限界に達した企業が事業断念に追い込まれている。  こうした状況下で「人手不足」で倒産リスクが高まった企業を東京商工リサーチと日本経済新聞が共同で分析した。

2

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「人手不足」倒産 359件 サービス業他を主体に、年間400件に迫る

深刻さを増す人手不足が、倒産のトリガーになりつつある。2025年11月の「人手不足」倒産は34件(前年同月比70.0%増)と大幅に上昇、6カ月連続で前年同月を上回った。1-11月累計は359件(前年同期比34.4%増)と過去最多を更新し、400件も視野に入ってきた。

3

  • TSRデータインサイト

【社長が事業をやめる時】 ~消えるクリーニング店、コスト高で途絶えた白い蒸気~

厚生労働省によると、全国のクリーニング店は2023年度で7万670店、2004年度以降の20年間で5割以上減少した。 この現実を突きつけられるようなクリーニング店の倒産を聞きつけ、現地へ向かった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年1-11月の「税金滞納」倒産は147件 資本金1千万円未満の小・零細企業が約6割

2025年11月の「税金(社会保険料を含む)滞納」倒産は10件(前年同月比9.0%減)で、3カ月連続で前年同月を下回った。1-11月累計は147件(前年同期比11.9%減)で、この10年間では2024年の167件に次ぐ2番目の高水準で推移している。

5

  • TSRデータインサイト

地場スーパー倒産 前年同期の1.5倍に大幅増 地域密着型も値上げやコスト上昇に勝てず

2025年1-11月の「地場スーパー」の倒産が22件(前年同期比46.6%増)と、前年同期の約1.5倍で、すでに前年の年間件数(18件)を超えた。

TOPへ