• TSRデータインサイト

三越伊勢丹 3度目の下方修正、新型コロナの影響が長期化

営業利益と当期純利益は前回予想据え置き

 1月27日、(株)三越伊勢丹ホールディングス(TSR企業コード:297339362、新宿区、東証1部)は3度目の2021年3月期の業績予想を下方修正し、売上高(連結)が前回予想から150億円悪化の8,000億円になりそうだと発表した。再度の緊急事態宣言に伴う時短営業など新型コロナの影響が長期化している。

修正した2021年3月期(連結)の売上高は8,000億円(前回予想8,150億円)と前回予想から150億円の減収で、営業利益(330億円の赤字)と当期純利益(450億円の赤字)は前回予想から据え置いた。

三越伊勢丹HDの担当者によると「百貨店事業を中心に昨年12月までは回復基調にあったが、緊急事態宣言の発出に伴う外出自粛や消費マインドの低迷を鑑み、足元のトレンドを見て売上高の下方修正をした」とコメントした。

販売については、「昨年からチャット・ビデオ接客、決済まで可能なショッピングアプリ『三越伊勢丹リモートショッピング』を運用している。お客様を密に集めるのが困難ななか、ECの強化に取り組んでいる」(同担当者)と説明した。

三越伊勢丹

‌                 三越伊勢丹の店舗(TSR撮影、5月)

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「社長の出身大学」 日本大学が15年連続トップ 40歳未満の若手社長は、慶応義塾大学がトップ

2025年の社長の出身大学は、日本大学が1万9,587人で、15年連続トップを守った。しかし、2年連続で2万人を下回り、勢いに陰りが見え始めた。2位は慶応義塾大学、3位は早稲田大学と続き、上位15校まで前年と順位の変動はなかった。

2

  • TSRデータインサイト

内装工事業の倒産増加 ~ 小口の元請、規制強化で伸びる工期 ~

内装工事業の倒産が増加している。業界動向を東京商工リサーチの企業データ分析すると、コロナ禍で落ち込んだ業績(売上高、最終利益)は復調している。だが、好調な受注とは裏腹に、小・零細規模を中心に倒産が増加。今年は2013年以来の水準になる見込みだ。

3

  • TSRデータインサイト

文房具メーカー業績好調、止まらない進化と海外ファン増加 ~ デジタル時代でも高品質の文房具に熱視線 ~

東京商工リサーチ(TSR)の企業データベースによると、文房具メーカー150社の2024年度 の売上高は6,858億2,300万円、最終利益は640億7,000万円と増収増益だった。18年度以降で、売上高、利益とも最高を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

ゴルフ練習場の倒産が過去最多 ~ 「屋外打ちっぱなし」と「インドア」の熾烈な競争 ~

東京商工リサーチは屋外、インドア含めたゴルフ練習場を主に運営する企業の倒産(負債1,000万円以上)を集計した。コロナ禍の2021年は1件、2022年はゼロで、2023年は1件、2024年は2件と落ち着いていた。 ところが、2025年に入り増勢に転じ、10月までの累計ですでに6件発生している。

5

  • TSRデータインサイト

解体工事業の倒産が最多ペース ~ 「人手と廃材処理先が足りない」、現場は疲弊~

各地で再開発が活発だが、解体工事を支える解体業者に深刻な問題が降りかかっている。 2025年1-10月の解体工事業の倒産は、同期間では過去20年間で最多の53件(前年同期比20.4%増)に達した。このペースで推移すると、20年間で年間最多だった2024年の59件を抜いて、過去最多を更新する勢いだ。

TOPへ