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民事再生のレナウン、ブランドごとに複数スポンサーに譲渡へ

  スポンサーの選定が長引いている(株)レナウン(TSR企業コード:295833440、江東区、民事再生手続き中)が、ブランドや事業ごとの譲渡を複数のスポンサー候補と協議していることがわかった。関係者によると、8月中旬までの合意を目指しているという。
 レナウンの全事業を一括した支援スキームは難しく、分割譲渡の計画案で各スポンサーと合意した場合、法人としての「レナウン」が消滅する可能性も出てきた。
 関係者は東京商工リサーチの取材に対し、「各ブランドや事業ごとに譲渡する方式で、複数のスポンサーと交渉が進展している。合意には細かな調整が必要で、8月17日の再生計画案の提出は難しい。提出期間の延期も検討している」とコメントした。
 レナウンは、消費増税や暖冬の影響に加え、中国・山東如意の関係会社からの売掛金回収が遅れ、2019年12月期は79億9,900万円の営業赤字を計上した。さらに、「新型コロナウイルス」感染拡大もあって5月15日、子会社から民事再生法の適用を申し立てられた。その後、裁判所が選任した永沢徹弁護士(永沢総合法律事務所、東京都中央区)主導で、6月中のスポンサー選定を目指したが、アパレル業界の低迷などで交渉が難航していた。
 「レナウン応援SALE」などで、レナウンの6月の全社売上高は前年同月比22.5%増を達成し、勢いは7月前半まで続いた。レナウンの担当者は、「セールが好調で、在庫が例年の3分の1に減っている」と話す。だが、7月後半に入ると在庫商品が減少する中で、新商品の仕入れが進まず、売上高は伸び悩んでいるようだ。在庫セールで当座の手元資金は厚みを増し、三井住友銀行が6月18日に設定した20億円のDIPファイナンス(融資枠)は、「手を付けていない。当面の資金繰りに問題はない」(レナウン担当者)という。
 ただ、民事再生中のため通常の秋冬物の仕入れは難しく、スポンサー選定までに残された時間は少ない。アパレル業界リーダーとして一世を風靡した名門「レナウン」の名前が残るのか。スポンサーとの合意内容が注目される。

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