• TSRデータインサイト

金融庁、中小企業金融円滑化法の枠組みを事実上復活へ

新型コロナウイルス感染拡大をうけて

 3月6日、金融庁は新型コロナウイルス感染拡大による企業への資金繰りを支援するため、麻生太郎・金融担当大臣の談話を公表した。この談話の中で、「既往債務の元本・金利を含めた返済猶予等の条件変更について、迅速かつ柔軟に対応すること」とした。これにより2013年3月に終了した中小企業金融円滑化法(以下、金融円滑化法)の枠組みが事実上復活することになる。
 同時に、金融円滑化法の終了後も金融機関から任意報告を求め、2019年3月期で休止した「貸付条件の変更実施状況の報告」(リスケ報告)を復活させる。リスケの申込や実行、謝絶件数を金融機関に報告させ、取りまとめ結果を公表し、各金融機関の取り組み状況を確認していく。金融機関にはリスケへの取り組みの強力なインセンティブになる。
 2019年3月のリスケ報告休止を前に、金融庁の担当者は東京商工リサーチの取材に対し、「経済情勢の急変で金融円滑化が必要な局面も否定できず、(リスケ報告は)廃止でなく休止とした」とコメントしていた。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

銀行員の年収、過去最高の653万3,000円 3メガ超えるトップはあおぞら銀行の906万円

国内銀行63行の2024年度の平均年間給与(以下、年収)は、653万3,000円(中央値639万1,000円)で、過去最高となった。前年度の633万1,000円(同627万5,000円)から、20万2,000円(3.1%増)増え、増加額は3年連続で最高を更新した。

2

  • TSRデータインサイト

タクシー業界 売上増でも3割が赤字 人件費・燃料費の高騰で二極化鮮明

コロナ禍を経て、タクシー業界が活況を取り戻している。全国の主なタクシー会社680社の2024年度業績は、売上高3,589億5,400万円(前期比10.6%増) 、利益83億3,700万円(同11.1%増)で、増収増益をたどっている。

3

  • TSRデータインサイト

「調剤薬局」 中小・零細はリソース不足で苦戦 大手は戦略的M&A、再編で経営基盤を拡大

 調剤薬局の大型再編が加速するなか、2025年1-8月の「調剤薬局」の倒産は20件(前年同期比9.0%減)で、過去最多の2021年同期と2024年同期の22件に迫る多さだった。今後の展開次第では、年間初の30件台に乗せる可能性も高まっている。

4

  • TSRデータインサイト

りそな銀行、メイン取引先数が増加 ~ 大阪府内企業の取り込み加速 ~

関西や首都圏で大企業から中堅・中小企業のメインバンクとして確固たる地位を築くりそな銀行。「2025年全国メインバンク調査」ではメインの取引社数は3メガバンクに次ぐ4位の4万511社だった。東京商工リサーチが保有する全国の企業データを活用しりそな銀行がメインバンクの企業を分析した。

5

  • TSRデータインサイト

メインバンク調査で全国5位の北洋銀行 ~圧倒する道内シェアで地域経済を牽引~

「2025年全国メインバンク調査」で、北洋銀行(2万8,462社)が3メガ、りそな銀行に次ぎ、調査開始の2013年から13年連続で全国5位を維持した。北海道に169店舗、都内1店舗を構え北海道内シェアは約4割(37.9%)に達する。

TOPへ