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D&B、新型コロナウイルスが世界500万社の企業活動に影響を与える可能性を示唆

 東京商工リサーチ(TSR)と業務提携するDun & Bradstreet(アメリカ、D&B)は2月6日、新型コロナウイルスの感染拡大により、世界で約500万社の企業が影響を受ける可能性があるとするレポートを公表した。
 レポートによると、5万1,000社を超える企業が、中国で新型コロナウイルスの影響が特に大きい地域の企業と直接取引(Tier 1)があるという。また、間接取引(Tier 2)まで対象を広げると世界各国の500万社の取引に影響を及ぼす可能性がある。この中には、アメリカのビジネス誌「Fortune」が選定した1000社のうち約900社が含まれる。
 なお、TSRは1月31日にD&Bのグローバル企業データベース「WorldBase」とTSRが保有する企業データベースを活用し、日系企業への中国への進出動向を調査した。これによると、中国全土には1,891社の日系企業が4,380拠点(日系企業が議決権・支配権を50%以上保有している拠点のみ集計)を構えている。また、武漢市には、39社が進出し45拠点を構えている。

100件以上の感染が確認された地域(2月5日現在)

‌100件以上の感染が確認された地域(2月5日現在)

※色の濃淡は当該地区の企業数を中国企業の総数で割ったもの


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2020年2月21日号掲載予定「SPOT情報」を再編集)

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