• TSRデータインサイト

破産した白鳥エステの負債判明、「高めの給与設定で逆ザヤ」だった

 9月30日、東京地裁に破産を申請した「白鳥エステ」運営の(株)アキュートリリー(TSR企業コード:300584920、渋谷区)の負債総額が約1億5,000万円だったことが東京商工リサーチの取材でわかった。債権者の総数は286名、うち労働債権(従業員)は約160名にのぼる。

 関係者によると、「業界平均より安い施術料金だった一方、従業員の給与は比較的高めに設定して(収益は)逆ザヤに陥っていた」という。だが、元従業員は「最終的に給与が支払われておらず、貯金を取り崩している状況」と給与未払いを憤っている。
 白鳥エステは、ピーク時には東京、大阪など全国で10店以上を展開していた。人気が広まった理由について、別の関係者は「一部のインフルエンサーがSNSで度々(白鳥エステを)紹介したことでお客さんが増えた」と背景を説明する。また、プランの押し売りをしないサービス姿勢や施術の質の高さ、若くしてサロンを次々にオープンして活躍する白鳥社長のパーソナリティーに惚れ込んだ従業員も多いという。こうして「顧客からエステティシャンになった人も少なくない」と内情を明かす。
 ここ数年はエステティシャンの養成講座を開くなど活動の場を広げ、その分だけ多くの被害者を生むことになった。なぜ白鳥エステが多くの若者を惹きつけ、躓いた理由はどこに隠れていたのか。エステ業界の雄ともてはやされたリーダーの破たんは、まだ余波が続く。

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

ゴールデンウィーク明け、「退職代行サービス」の利用は慎重に

長かったゴールデンウィークが終わる。職場「復帰」を前に例年4月の新年度からGW明けにかけ、退職する人の話題が持ち上がる。この時期の退職代行サービスの利用も増加するという。4月に実施した「退職代行に関する企業向けアンケート調査」から利用するリスクの一端が浮き彫りになった

2

  • TSRデータインサイト

トーシンホールディングスの「信用調査報告書」

5月8日に東京地裁に会社更生法の適用を申請した(株)トーシンホールディングス(TSRコード:400797887、名古屋市、東証スタンダード)を取り上げる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度「医療・福祉事業」倒産、過去最多 ~ 健康と生活を支援する事業者の倒産急増 ~

生活に不可欠な医療機関や介護事業者の倒産が急増している。バブル経済1988年度(4-3月)以降の38年間で、2025年度は金融危機、リーマン・ショックを超える478件と最多を記録した。

4

  • TSRデータインサイト

2026年4月「人手不足」倒産 33件発生 春闘の季節で唯一、「人件費高騰」が増加

2026年4月の「人手不足」倒産は33件(前年同月比8.3%減)で、3カ月ぶりに前年同月を下回った。 4月の減少は2022年以来、4年ぶり。

5

  • TSRデータインサイト

2025年度の「早期・希望退職」 は2万781人 約7割が「黒字リストラ」、2009年度以降で4番目の高水準

2025年度に「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は46社(前年度51社)で、人数は2万781人と前年度(8,326人)の約2.5倍に急増したことがわかった。社数は前年度から約1割(9.8%減)減少したが、募集人数は2009年度以降で4番目の高水準となった。

TOPへ