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2018年決算(1月期-12月期)上場企業3,490社「女性役員比率」調査

 上場企業3,490社の2018年決算(1月期-12月期)の役員総数は3万8,773人(前年3万9,107人)だった。このうち、女性役員は1,662人(構成比4.2%)で、前年(1,467人)より195人増加し、女性役員比率は0.5ポイント上昇した。
 2,223社(構成比63.6%)は女性役員がゼロだった。ただ、前年に女性役員がゼロで2018年に女性役員が誕生した上場企業は170社(同4.8%)で、少しづつ女性の役員登用は進んでいる。
 業種別の女性役員比率は、10業種のうち、水産・農林・鉱業を除く9業種で前年を上回った。
最高は小売業の6.2%(役員総数3,439人、うち女性役員216人)で、以下、サービス業6.1%(同4,121人、同253人)、金融・保険業5.7%(同2,248人、同129人)と続く。最低は建設業の2.6%(同1,902人、同50人)で、最高の小売業とは3.6ポイントの開きがあった。
 女性役員比率が50.0%以上の企業は、老人介護ホームの光ハイツ・ヴェラス(役員総数7人、うち女性役員4人)、化粧品の開発・製造販売のシーボン(同12人、同6人)の2社(前年1社)。
 2015年12月、政府は第4次男女共同参画基本計画を閣議決定し、上場企業の女性役員の割合を「2020年までに10%を目指す」目標を掲げた。だが、2018年に決算を迎えた上場企業のうち、女性役員比率が10%以上は685社(構成比19.6%)と2割にも満たない。女性役員ゼロの企業も2,223社(同63.6%)あり、10%の計画実現への道のりはかなり険しくなってきた。


  • 本調査は東京証券取引所など、すべての証券取引所に株式上場している企業のうち、2018年決算(1月期-12月期)の企業を対象に各企業の有価証券報告書の役員状況に記載されている男性・女性の人数を集計、分析した。
  • 本調査の「役員」は、「会社法上の取締役、執行役および監査役など」とした。
  • 業種分類は証券コード協議会の定めに準じる。

2018年上場企業3,490社 女性役員比率

業種別 最高は小売業の6.2%、最低は建設業の2.6%

 業種別の女性役員比率で、最高は小売業の6.2%(前年5.7%)。次いで、サービス業6.1%(同5.5%)、金融・保険業5.7%(同5.1%)、電気・ガス業5.5%(同5.1%)、不動産業5.1%(同4.4%)と続く。女性役員比率が最高だった小売業は、役員総数3,439人(前年3,459人)のうち、女性役員は216人(同198人)を占めた。
 女性役員ゼロを業種別にみると、最高は建設業の73.8%(157社のうち116社)で、唯一、7割を超えた。女性役員比率も2.6%と全業種の最低で、女性登用に厚い壁が立ちはだかっている。
 次いで、卸売業69.8%(328社のうち229社)、製造業69.3%(1,441社のうち999社)の順で、3業種は7割近くに達し、女性の役員登用が遅れている。
 一方、女性役員ゼロの構成比が最も低かったのは、電気・ガス業の29.1%(24社のうち7社)。社会インフラに直結し、社会的な公共性の存在意義に加え、業務との関連で女性役員の登用機会が他業種より多いとみられる。

光ハイツ・ヴェラスが女性役員比率57.1%で最高

 女性役員比率の企業別では、最高は札証アンビシャス上場の光ハイツ・ヴェラスの57.1%(前年42.8%)。同社は北海道内で老人介護ホームを運営し、役員総数7人のうち、半数を超える4人が女性。2位はスキンケアなど高級化粧品の製造販売、東証1部のシーボン50.0%(同60.0%)で役員総数12人のうち、半数の6人が女性。女性比率50.0%以上は上位2社のみ。
 3位は化粧品の国内シェアトップで、東証1部の資生堂の45.4%(同36.3%)。役員総数11人のうち5人が女性。女性役員比率トップの光ハイツ・ヴェラス、2位のシーボン、3位の資生堂は、ともに事業内容から女性の役員登用に積極的な社風がうかがえる。


 2013年4月、政府は経済界に「役員(取締役、会計参与、監査役若しくは執行役)に1人は女性を登用する」ことを要請している。女性が企業の意思決定に関わることで、多様な価値観を企業経営に反映し、多様な価値観を受容する組織はイノベーションが促進されるとの見解を示した。
 だが、2018年決算(1月期-12月期)の上場企業は、女性役員比率は4.2%にとどまる。まだ、6割(構成比63.6%、2,223社)の企業で女性役員がゼロにとどまっている。ただ、新興市場の東証マザーズでは女性役員の比率が6.3%と高く、性別に関わりなく、能力と適材適所など人材対応でモチベーションの向上につなげる動きも見せている。
 1986年4月に男女雇用機会均等法が施行されてから33年を経過した。女性の役員登用は道半ばだが、「重厚長大」産業を中心に女性登用が遅れる一方、女性登用が進む小売業やサービス業など、業種により対応に差が出ている。ただ、人口減少の中で人手不足が企業に大きな課題を突き付けており、新たな勤務形態も求められている。今後、女性の社会進出が進むに従い、役員への登用も促進されるのか、企業の動きが注目される。

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