• TSRデータインサイト

政府 中小企業の年末、年度末の資金繰り支援を金融機関に要請

 金融庁は12月10日、都内で「中小企業等の金融の円滑化に関する意見交換会」を開催した。会議には麻生太郎・副総理兼財務大臣、金融担当大臣も出席。「年末、年度末は(中小企業の)運転資金の需要が厳しい」との認識を示した。そのうえで、「経営者保証に依存しない流れが出来てきている。中小企業の内容や将来性をみて融資してほしい」と金融機関に中小企業からの相談に親身に乗るよう要望した。

麻生太郎・金融担当大臣

麻生太郎・金融担当大臣
田中良生・内閣府副大臣は、「中小企業の年末、年度末の資金繰りに万全の対応をお願いしたい」と述べ、「地域生産性向上支援チームが各地の財務局と連携して企業を支援していく」と中小企業への支援体制の強化を説明した。
これを受け、全国銀行協会の藤原弘治会長(みずほ銀行頭取)は、「年末に向けて中小企業の資金需要をしっかり支えていく。また、金融面のみならず、課題解決のベストパートナーとして企業の非金融面からもサポートする」と語った。
全国地方銀行協会の柴戸隆成会長(福岡銀行頭取)は、「年末に向け、中小企業の資金需要が高まる。取引先の資金繰りにしっかりと目を配り、事業性や将来を評価しながら資金に支障がないよう、柔軟かつ積極的な資金供給に取り組んでいく」と述べた。また、第二地方銀行協会の熊谷俊行会長(京葉銀行頭取)は、「資金需要が高まる年末は中小企業等の資金繰りに支障が出ないように万全の対応に努める」と述べた。
全国信用金庫協会の佐藤浩二会長(多摩信用金庫会長)は、「地域経済の発展に全力をあげる」とコメント。また、ゆうちょ銀行の郵便貯金の限度額引き上げにも触れ、「地域の金融システムに悪影響を及ぼす恐れがある」と慎重な判断を求めた。全国信用組合中央協会の渡邉武会長(茨城県信用組合理事長)は、「年末金融の円滑化を進めていく」とし、郵便貯金の限度額引き上げは「信用組合の経営に絶大な影響が出る恐れがある」と述べた。
意見交換会は政府側から金融庁と経済産業省、農林水産省、国土交通省の副大臣が出席、金融機関側からは各金融機関協会の会長、日本政策金融公庫の田中一穂総裁、全国信用保証協会連合会の村山寛司会長が出席した。

 (東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年12月12日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

「退職代行」からの連絡、企業の3割取り合わず 有給や退職日の交渉などの通知を3割が経験

ことし2月、大手退職代行サービスの代表らが弁護士法違反の疑いで逮捕された。4月に入り、退職代行の話題も出始めたが、弁護士や労働組合以外の「退職代行」業者から連絡があっても、3割(30.4%)の企業が非弁行為が含まれる可能性があり、取り合わないことがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

「マッサージ業」の倒産が過去30年で最多の108件 大手チェーン、リラクゼーション店と競合激化

店舗乱立による過当競争や光熱費、人件費の上昇で「マッサージ業(療術業)」の倒産が増勢をたどっている。 2025年度に倒産した「マッサージ業」は、1996年度以降の30年間で最多だった2019年度の98件を抜き、過去最多の108件(前年度比14.8%増)に達した。

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の「医療機関」倒産 20年で最多の71件 クリニック・歯科医院の淘汰が加速、「破産」が97%超

2025年度に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院を合計した「医療機関」は、71件(前年度比20.3%増)だった。2006年度以降の20年間では、2024年度の59件を大幅に上回り、最多を更新した。

4

  • TSRデータインサイト

「士業」の倒産、2年連続最多

「士業」の倒産が目立ってきた。給付金の不正受給の指南や、顧客から預かった資金の流用など、近年はコンプライアンス違反が原因で倒産するケースも目立つ。

5

  • TSRデータインサイト

食品メーカー 売上高は値上げで24兆円に 利益は物価高に値上げが追い付かず二極化

肉・魚加工や菓子類などの「食品メーカー」4,994社の2025年の業績は、売上高24兆2,824億円(前年比3.4%増)、利益は8,806億円(同9.5%減)だった。コロナ禍以降の5年間で売上高は最高を記録した。ただ、利益はコスト上昇で減益の構図が鮮明となった。

TOPへ