• TSRデータインサイト

RIZAPグループ 2019年通期赤字予想、グループ企業は「売らない」方針から転換

 11月14日、 RIZAPグループ(株)(TSR企業コード:295695790、札証アンビシャス)は、2019年3月期通期の連結業績予想を発表した。営業利益を当初予想の230億円の黒字から33億円の赤字、当期純利益も159億4,000万円の黒字から70億円の赤字へ大幅に下方修正した。同時に、これまで積極的だったM&Aの凍結とグループ企業の売却にも着手する方針を示した。

RIZAPグループの決算会見は14日の午後5時から都内で開かれた。松本晃・代表取締役構造改革担当と会場入りした瀬戸健・代表取締役社長は冒頭、神妙な面持ちで「株主及びステークホルダーの皆様の期待を裏切る結果となり、お詫び申し上げる」と深く頭を下げ、陳謝した。
会見で瀬戸社長は、「新規M&Aの原則凍結」、「グループ企業の経営再建の早期完遂」、「成長事業への経営資源集中」など、今後の方針を明らかにした。
これまでグループ企業は「売らない」方針だったが、瀬戸社長は「投資回収や収益改善が困難な企業の縮小、撤退、売却を行う」と明言。まずは北海道でゲームセンターや映画館等を運営するSDエンターテイメント(株)(TSR企業コード:010040854、JASDAQ)のエンターテインメント事業を新設企業へ譲渡し、12月を目途に北海道SOキャピタル(株)(TSR企業コード:034082999、札幌市)に売却する。これについて瀬戸社長は、「当初見込んでいたシナジー効果が想定通り発揮されなかった」と説明した。
会見に詰めかけた記者からはM&Aのシナジーを疑問視する質問が相次いだ。だが、瀬戸社長はシナジー最大化に向けた具体策には言及しなかった。
焦点のグループ企業の売却について、瀬戸社長は「何社残すかという問題ではない」とし、「厳しく見直し、ガバナンスが利く適正な数にしていく」と述べた。
下方修正の原因は、「買収前の見通しの甘さ」と結論付けた。今回の方針転換について8月以降、松本氏と議論を繰り返したと説明。松本氏は「M&Aを否定はしないが、一旦やめて今ある会社に集中すべき。最近買った企業の中でしんどいものは、試算を練り直す。新規もオンゴーイングのプロジェクトもフリーズした方がいい」と述べた。

東京商工リサーチが8月に行った単独インタビュー(8月20日号ほか掲載)で、瀬戸社長は「これまで買収した会社は売却していない」と胸を張った。だが、「松本さんが来たから、今後どうなるか分からない」とも語っていた。それからわずか3カ月後に転換点を迎え、拡大戦略から大きく舵を切った。RIZAPグループの真価が、今後問われることになる。

会見する瀬戸社長(左)と松本氏

会見する瀬戸社長(左)と松本氏

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年11月16日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

破産の全東信、20年前から粉飾決算か=600億円超の債務超過のおそれ

決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産劇の裏側がわかってきた。東京商工リサーチ(TSR)の取材で、業績悪化を隠すために、多額の預金の架空計上に手を染めていた実態がみえてきた。

2

  • TSRデータインサイト

全東信の破産、焦付不可避と機会損失 ~外食団体、「セーフティネット保証1号」適用を要請~

クレジットカード決済代行を手掛けていた(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪市中央区)の破産の余波が広がっている。7月6日に負債1,259億円(2025年3月期決算時点)を抱え、大阪地裁から破産開始決定を受けて以降、取引金融機関が取り立て不能等を次々と開示している。

3

  • TSRデータインサイト

全東信の粉飾、資本と営業権と不動産から読み解く

大手決済代行の(株)全東信の粉飾は見抜けたのか。破産したいま、過去の決算書を基に違和感を指摘するのは難しくない。預金残高の水増しや債権の架空計上など、全東信はありきたりの手口に手を染めていた。

4

  • TSRデータインサイト

準自己破産の全東信、近畿産業信組が219億円貸出

大手決済代行の(株)全東信(TSRコード:575448075、大阪府)の資金調達先が東京商工リサーチ(TSR)の取材で判明した。

5

  • TSRデータインサイト

止まらない建設業の倒産、職別工事が総合工事を抜く ~ 施工力が「希少資源」、動き始めた内製化 ~

2025年の建設業の倒産は、2,014件(前年比4.6%増)で、4年連続で前年を上回り、2013年(2,421件)以来、12年ぶりに2,000件を超えた。 コロナ禍の2021年に1,065件と2000年以降では最少を記録。その後は増勢に転じ、わずか4年で約2倍に増加した。

TOPへ