• TSRデータインサイト

大塚家具 半期決算で初のGC注記を記載、財務強化が急務

(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)が8月14日、2018年12月期上期決算を発表した。
2018年12月期上期(1-6月)は売上高が188億2,541万円(前年同期比11.9%減)、営業利益が▲35億612万円(前年同期▲27億270万円)、経常利益が▲34億7,246万円(同▲26億992万円)、純利益が▲20億3,727万円(同▲45億6,779万円)と、大幅減収となり、営業利益、経常利益は赤字幅が膨らんだ。(注:▲は赤字)
通期で3期連続の赤字見通しとなり、継続企業の前提に関する注記(GC注記)が1980年6月に株式を上場以来、初めて記載された。
財務基盤の強化に向け、国内外の企業と資本増強や提携について協議している。
6月末の現預金残は22億514万円(2018年12月期第1四半期10億2,634万円)と増加した。ただ、1999年上期以来、約20年ぶりに金融機関から資金を調達し、上期は短期借入金8億円を計上した。大塚家具は複数の金融機関と50億円のコミットメントライン契約を結び、当面の必要資金は確保している。

主力の応接や寝具の不振が響く

 2018年12月期上期(1‐6月)の売上高は188億2,541万円(前年同期比11.9%減)と大幅に落ち込んだ。
大型店舗の入店者数や成約件数が減少し、減床リニューアルのスケジュール遅れや新旧商品の入れ替えなど、商品展開の対応が計画通りに進まなかったのが響いた。
商品別では、主力の寝具は新モデルの販売強化で第2四半期に持ち直したが、第1四半期の不振が響き、売上高は48億3,264万円(前年同期比7.6%減)だった。応接も上期は41億6,940万円(同15.4%減)と落ち込んだ。また、大幅増を狙ったホテルなどの法人向けコントラクトも11億1,929万円(同8.2%増)と前年同期を上回ったものの、価格競争の激化などで予想には届かなかった。
利益は、販売費及び一般管理費を上期で116億5,374万円(同14.7%減)削減した。しかし、売上高の大幅減少に加え、棚卸資産の評価基準の見直しで評価損を原価に計上。前年同期や当初の業績予想も下回り、赤字幅が拡大した。
前年同期は、減損損失や事業構造改善引当金等の特別損失29億1,356万円計上したが、上期は減損損失額が少なく、特別損失は1億5,659万円にとどまり、純利益の赤字幅は縮小した。

約20年ぶりの銀行借入で、短期的な資金繰りリスクは軽減された。だが、業績悪化から抜け出すまでに至らず、手元資金の減少リスクに変わりはない。財務基盤の強化が急がれるが、自力での取り組みは難しい状況に追い込まれている。このため、2017年11月、業務資本提携を締結した貸会議室運営の(株)ティーケーピー(TSR企業コード:296456853、新宿区)や家電量販店大手、外国企業など、交渉先が相次いで報道される事態に陥っている。
大塚家具が生き残りをかけて財務強化にどう取り組むのか。自力再建を諦め、他社の傘下に組み込まれるのか。大塚家具と大塚久美子社長の決断に残された時間は少ない。

大塚家具新宿ショールーム(2017年11月撮影)

大塚家具新宿ショールーム(2017年11月撮影)

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年8月16日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ