• TSRデータインサイト

ケフィアの被害対策弁護団、「破産申立や刑事告訴も検討」

 数万人の会員とトラブルが表面化している(株)ケフィア事業振興会(TSR企業コード:298080745、以下ケフィア)を中心としたケフィアグループに対し、被害対策弁護団が破産申立や刑事告訴を検討していることがわかった。
7月10日に結成されたケフィアグループ被害対策弁護団によると、「24日までに電話の相談件数は累計400件以上、申告被害金額は合計10億円を超えている」という。相談件数は日を追って増えており、同弁護団はケフィアへの対応を検討している。
ケフィアは「柿」などの買戻特約付売買契約を結ぶ「オーナー契約」を展開するほか、「新勘定システム」などの「パーソナルサポーター」として会員と金銭消費貸借契約(ケフィアへの貸付)を結んでいるが、こうした契約のあり方も問題視されている。

債権者破産や刑事告発も検討

 ケフィアは昨年11月ごろから「システム移行」を原因として、一部の会員への支払いが遅れている。会員の一部はケフィアが所有する本社ビル不動産に、今年4月23日からこれまでに11件の仮差押登記を設定している。
 ケフィアは東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じていないが、会員は「残債を新たな契約に振替えるよう新たな商品を勧誘された」、「毎日のように商品(オーナー契約やパーソナルサポーター)のダイレクトメールが届く」と話しており、会員向けには活発な営業活動を継続しているようだ。
 ケフィアの「オーナー契約」や「パーソナルサポーター」は、会員とケフィアの直接契約だ。契約はいずれも年10%前後の高い利回りが特徴。だが、被害対策弁護団は、高利回りを継続できる事業を行っておらず自転車操業に陥っている可能性を指摘している。
 ケフィアの「パーソナルサポーター」のパンフレットには、「金融商品取引法上の有価証券には該当しません」と明記されている。同弁護団は、こうした契約が出資法や金融商品取引法などに違反し、預託法の脱法行為の可能性を指摘する。ケフィアに対する債権者破産や刑事告訴の検討に入っているもようだ。
 折しも7月12日、日本弁護士連合会が「いわゆる『預託商法』につき抜本的な法制度の見直しを求める意見書」を公表した。ジャパンライフ(株)(TSR企業コード:291624898、2018年3月破産開始)による大規模消費者被害の発生を受け、規制対象の拡大や許認可・登録制の導入、主務省庁への破産申立権限の付与などの法規制の導入を求めている。

 7月17日、名古屋・三河地区「ケフィア事業振興会被害弁護団(東海)」が結成された。
 団長には石川真司弁護士(弁護士法人中京法律事務所)が就任し、相談等受付窓口(電話052-961-3071)は事務局の正木健司弁護士(名城法律事務所)が担当する。正木弁護士はTSRの取材に対し、「他の弁護団と連携し、集団的に対応することで出来るかぎりの被害救済を目指していく」とコメントした。
 一連の問題の唯一の解決策は、ケフィアが契約を円滑に履行することだ。「柿」、「ももジュース」から「太陽光発電事業」までグループの事業は幅広い。会員へ元本返済だけでなく配当や利息も遅延が生じており、ケフィアが解決すべき課題は山積している。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年7月24日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


 TSR情報とは

記事の引用・リンクについて

記事の引用および記事ページへのリンクは、当サイトからの出典である旨を明示することで行うことができます。

(記載例) 東京商工リサーチ TSRデータインサイト ※当社名の短縮表記はできません。
詳しくはサイトポリシーをご確認ください。

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

政策金利引き上げ 「1年は現状維持」が59.6% すでに「上昇」が52.0%、借入金利は上昇局面に

企業の59.6%が、これ以上の政策金利の引き上げに「待った!」を希望していることがわかった。今後の望ましい政策金利の引き上げ時期は、「向こう1年は現状維持」が59.6%で最多だった。「引き下げ」も23.6%あり、企業経営の観点では利上げを望む声は少数(16.6%)にとどまった。

2

  • TSRデータインサイト

中小企業の12.2%が事業資金を個人名義で調達 保証債務に上乗せ負担、債務整理や廃業を複雑に

事業資金を代表者名義で調達したことのある中小企業は12.2%に達することがわかった。政府や金融界は「経営者保証ガイドライン」(適用開始2014年2月)や「事業再生ガイドライン」(同2022年4月)などを通じ、企業が抱える債務を整理する際に個人保証が足かせにならないよう取り組んでいる。

3

  • TSRデータインサイト

2025年「早期・希望退職募集」は 1万7,875人 、リーマン・ショック以降で3番目の高水準に

2025年の「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は43社(前年57社)で、募集人数は1万7,875人(同78.5%増)に達したことがわかった。

4

  • TSRデータインサイト

2025年7-9月の客室単価 1万6,975円 稼働率80%超え 人手不足の解消が課題

ホテル運営の上場12社(13ブランド)の2025年7-9月期の平均客室単価は、1万6,975円(前年同期比8.9%増)で前年同期を上回った。7-9月期で、13ブランドの平均が前年を上回るのは3年連続。平均稼働率は83.9%で前年同期を2.9ポイント上回り、 稼働率も3年連続で上昇している。

5

  • TSRデータインサイト

【最新決算】 私立大学、半数以上が赤字に転落 売上高トップは順天堂、利益トップは帝京大学

全国の私立大学を経営する545法人のうち、半数を超える287法人が直近の2025年3月期決算で赤字だったことがわかった。  

TOPへ