• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

シェアハウスのSAKT Investment Partners、複数の未払いが表面化

 シェアハウスやアパートの建築、サブリースを手掛けるSAKT Investment Partners(株)(TSR企業コード:298434628、東京都、大森啓太郎社長、以下サクト)が、複数の未払いを起こしていることが東京商工リサーチ(TSR)の取材でわかった。サクトは実質上の本社事務所を移転したが、オーナーには通知せず、一部オーナーから「連絡を取ろうとしても取れない状況」と怒りの声が上がっている。
 サクトは、一部オーナーに対するサブリース賃料の支払いが滞り、シェアハウスを施工した建築業者への代金未払いも発生している。

2017年12月に本社移転

 サクトは、大森社長が2010年6月に設立。シェアハウスのサブリースなどで急成長し、2015年12月期は売上高78億8,400万円をあげていた。しかし、2017年に入りシェアハウスオーナーへのサブリース賃料の未払いが表面化した。
 サクトの商業登記簿上の本社は、東京都中央区銀座にある。だが、サクトの関係者によると、「2017年末に本社事務所を江東区東陽に移転。同時に30人以上いた従業員を8人程度に削減した」という。その後も営業は続けているが、シェアハウスオーナーだけでなく、シェアハウスを施工した建設業者への代金未払いも表面化している。

スルガ銀行が融資

 サクトが手がけるシェアハウスオーナーに取材すると、物件融資はスルガ銀行(TSR企業コード:449001504、東証1部)が実行していることがわかった。シェアハウスのオーナーはTSRの取材に、「スルガ銀行二子玉川支店から融資を受けた。融資申し込み関連資料が改ざんされている」と話す。オーナーによると、通帳の残高とスルガ銀行内に保存されていた通帳コピーの残高に大きなかい離があったという。

施工会社への未払いには沈黙

 サクトは、確認できるだけでもシェアハウスを施工した建築業者2社から請負代金の支払いを巡って提訴されている。
 埼玉県に本社を置くA社は、これまでサクトのシェアハウス20棟以上を手がけてきた。このうち2017年1月までに契約した一部の約4,500万円が支払われていない。このためA社は2017年4月、サクトを相手取り、未払い代金を払うよう東京地裁へ提訴。同11月、地裁はサクトに満額を支払うよう命じたが、現在もA社には「サクトから連絡すらない状態」(A社担当者)という。 TSRは、同様の被害を受けている東日本に本社を置くB社に取材したが、「連絡はない」(B社担当者)という。
 TSRは2018年5月、江東区東陽にあるサクトの本社を訪問した。部長職の男性社員が対応したが、「社長は不在で、後日対応する」と話すにとどめた。
 改めて6月5日に電話すると、先日対応した部長職の社員が、「質問をメールでもらえると社長に返信させる」と約束した。だが、同社員を通じて大森社長に質問状を送付したが、6月25日までに回答はない。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月27日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)


 TSR情報とは

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「鳶工事業」が苦境、倒産が過去最多ペース ~ 16年ぶり100件超、職人不足とコスト対応がネック ~

「建設現場の花形」と言われる鳶職人の世界に逆風が吹く。足場から鉄骨、支柱工事など建設現場で欠かせないが、倒産が過去最多ペースだ。有効求人倍率は7.94倍と深刻な人材難の鳶業界にあって採用難と高い技能、経験が若者の育成に足かせになっている。鳶工事業の倒産を分析した

2

  • TSRデータインサイト

「渋谷区」が倒産最多、2年連続も視野 ~ 倒産企業の半数が業歴10年超、新設法人は伸び鈍化 ~

街の主役は若者から大人へ。再開発で変貌を遂げる「シブヤ」に異変が生じている。 渋谷区に本社を構える企業倒産(1-8月)は、全国の市区郡別で最多の123件に達した。昨年(2025年1-12月)は161件で2007年以来、18年ぶり全国ワーストだった

3

  • TSRデータインサイト

2025年度の書店の利益、前年度の4.6倍に拡大 黒字企業が7割も、「増収増益」は13.4%

「本離れ」が言われて久しいが、書店経営が回復に転じた。全国の主な書店304社の2025年度の売上高合計は、6,121億4,000万円(前年度比1.6%増)、利益合計は40億2,600万円(同365.4%増)で、売上高は微増だったが、利益は前年度の4.6倍に急回復した。

4

  • TSRデータインサイト

翻訳業が苦境、利益は3年で7割減 ~ AIと競合で破産したケースも ~

AIが翻訳業界にドラスティックな変化を迫っている。日進月歩で精度が向上するなか、言語間の壁が低くなっている。この余波が翻訳業界に広がり、業績は3期連続で減収減益に追い込まれた。

5

  • TSRデータインサイト

「畳製造業」 伝統産業に忍び寄る市場変化と後継問題 売上は3年連続で低迷、業歴100年超の老舗が2割超

9月24日は「畳の日」。全国畳産業振興会が4月29日と9月24日の年2回定めている。日本の住文化の伝統を引き継ぐ畳のすばらしさをアピールすることが目的だが、畳製造業が長期低迷に陥っている。 全国の主な「畳製造業」256社の2025年度の売上高合計は402億7,700万円(前年度比1.3%減)だった

TOPへ