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エアバッグ大手・タカタ、製造業の戦後最大の倒産から1年、連鎖倒産は「ゼロ」

 6月25日、エアバッグ製造大手のタカタ(株)(TSR企業コード:295877413、東京都)が民事再生法の適用を申請してから1年が経過した。この間、懸念された国内取引先の連鎖倒産はゼロだった。
 タカタの倒産は負債総額1兆5,024億円(申請当時) に達し、製造業では戦後最大の大型倒産となった。国内では滋賀県と佐賀県に2工場を開設し、国内仕入先は延べ745社(1次・2次合計)に及んだ。倒産による影響を最小限に抑えるため、部品供給などに関わる重要な取引先には全額弁済し、それ以外の債権者には民事再生手続に則り、債務圧縮を行った。このため、債権カットを受けた中小企業への影響が危惧されたが、これまで連鎖倒産は発生していない。


  • 国内仕入先数は、2017年2月27日東京商工リサーチ発表「タカタグループ国内仕入先調査」より

【連鎖倒産が発生しなかった主な要因】

 1.政府が信用保証協会を通じ、タカタと一定の直接取引関係を有する中小企業・小規模事業者を対象に、一般保証とは別枠の限度額で融資額の100%を保証するセーフティネット保証1号を発動した。
 2.日本政策金融公庫などの政府系金融機関が、タカタの民事再生法の適用申請で売上減少などの業況が悪化した中小企業・小規模事業者に対し、セーフティネット貸付を実施した。
 3.各自治体が、タカタの取引先への相談窓口を設け、保証協会や商工団体との連携など支援体制を敷いた。
 4.タカタが倒産後も、従来の生産水準を持続した。

タカタこの1年間の主な動向

※タカタは2018年4月10日をもって、相安定化硝酸アンモニウムを使用したエアバッグインフレータ(膨張装置)のリコール対応のための製造・販売、インフレータの廃棄を除く、すべての事業ならびに資産を中国系自動車部品メーカーであるキー・セイフティー・システムズ社(本社:米国)傘下のJoyson Safety Systems Japan(株)(TSR企業コード:026702819、東京都、設立2018年1月、資本金3億1円)に譲渡した。このため、今後はJoyson Safety Systems Japanが主導し、サプライチェーンが見直される可能性もある。

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