• TSRデータインサイト

大塚家具 有明本社ショールームをリニューアル

 6月16日、(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区)の有明本社ショールームがリニューアルオープンした。これに先立ち6月15日、大塚久美子社長が報道陣にリニューアルのコンセプトを説明した。
販売不振が続く大塚家具は、超大型の旗艦店舗である有明本社ショールームの再構築を進めていた。
大塚社長は、顧客は「単品買いにみえても実はまとめ買いも多い」と分析。インターネットで買い物の情報収集するお客にも来店してもらえるように「暮らしを提案し、プロフェッショナルによる接客サービスの充実を図る」と意気込みを語った。

説明する大塚久美子社長(6月15日撮影)

説明する大塚久美子社長(6月15日撮影)

大塚社長は終始、笑顔を絶やさず有明本社ショールームの特徴を報道陣に説明した。
3F入口にある「住まいるステーション」の大幅リニューアルは、店舗や商品の案内だけでなく「インテリアアドバイザー」による家具の案内などで提案力を高めたという。
商品展示の位置を変更し、わかりやすく「Topics」、「理想を叶えるインテリア」、「暮らしをデザインする」、「ぐっすり眠れるインテリア」、「暮らしを整える収納アラカルト」の5つのゾーンを設置した。
照明コーナーの「ライタリウム」もリニューアルした。照明展示では国内最大級を誇り、個人客だけでなく建築士など建築やホテル、デベロッパー向けにも対応できる商品揃えになっている。

売上げ落ち込みでも利益改善は続く

 ショールームでの説明後、大塚社長は報道陣との質疑応答に応じた。報道陣からリニューアルなどの取り組みが業績に結び付くかを問われると、「積み重ねで少しずつ効果が出てくる」と余裕をみせた。売上高は「計画より下回っている。引っ越し需要が弱かった。買い替え需要も少しやれなかった」と回復の遅れを認めた。ただ、利益は「経費や家賃の削減を進め、改善が進んでいる」とコメント。また、「今も無借金経営。必要なら借りるし、必要でなければ借りない」と従来の姿勢に変更がないことを改めて示した。

大塚家具の2018年12月期第1四半期は、特別利益で9四半期ぶりに最終黒字を計上した。中間決算は前年同期比1.4%増収を見込むが、第1四半期は同10.7%減となっている。中間決算の計画達成に今回のリニューアルがどこまで結び付くか。来年、創業50周年を迎える節目に、大塚社長の手腕が問われている。


(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年6月19日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)


 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

2025年1-5月の「早期・希望退職」募集人数は8,711人で前年2倍に急増、相次ぐ大型募集

 2025年1月-5月15日までに「早期・希望退職募集」が判明した上場企業は19社(前年同期27社)で、前年同期より約3割(29.6%減)減少した。しかし、大手メーカーの大型募集が相次ぎ、対象人員は、8,711人(前年同期4,654人)と前年同期の約2倍(87.1%増)に急増した。

2

  • TSRデータインサイト

脱毛サロン・ミュゼプラチナム、新体制と「未消化役務」 ~ 運営会社MPH・高橋英樹社長 単独インタビュー ~

従業員給与の遅延、経営混乱などで動向が注目されるMPHの高橋英樹社長と関係者に、東京商工リサーチ(TSR)は単独取材をした(取材日は5月1日)。

3

  • TSRデータインサイト

脱毛サロン「ミュゼプラチナム」、債権者が破産申し立てへ

脱毛サロン「ミュゼプラチナム」を運営するMPH(株)(登記上:大田区)に対して、債権者が破産を申し立てる準備に入っていることが5月15日、わかった。 

4

  • TSRデータインサイト

全店休業のミュゼプラチナム、「新生ミュゼ」構想が判明 ~ 運営会社MPH・三原孔明氏インタビュー ~

運営会社や株主がたびたび変更されるなか、脱毛サロン・ミュゼプラチナムに注目が集まっている。ミュゼプラチナムは現在、MPH(株)(TSRコード:036547190、東京都港区)が運営している。だが、

5

  • TSRデータインサイト

中小企業の賃上げ率「6%以上」は9.1% 2025年度の「賃上げ」 は企業の85%が予定

2025年度に賃上げを予定する企業は85.2%だった。東京商工リサーチが「賃上げ」に関する企業アンケート調査を開始した2016年度以降の最高を更新する見込みだ。全体で「5%以上」の賃上げを見込む企業は36.4%、中小企業で「6%以上」の賃上げを見込む企業は9.1%にとどまることがわかった。

TOPへ