• TSRデータインサイト

大塚家具、創業地の春日部ショールームを閉店へ

 店舗再編を進めている(株)大塚家具(TSR企業コード:291542085、江東区、大塚久美子社長)は、春日部ショールーム(埼玉県)を5月27日で閉店することを明らかにした。

同ショールームは大塚家具の創業地で、いわば同社にとって“聖地”でもある。閉店することについて東京商工リサーチ(TSR)の取材に応じた大塚家具は、「(春日部ショールームの)店舗は1972年に建てられ、老朽化が進み移転を検討していた」と説明。「具体的な移転先は決まっていないが、埼玉県の東や中央エリアで良い物件があれば新店舗を検討したい」と語った。
また、大塚家具の創業者で、娘の久美子社長と親娘で経営権を争った大塚勝久氏が代表取締役会長を務める匠大塚(株)(TSR企業コード:015391809、東京都中央区)も、大塚家具の春日部ショールームから春日部駅を挟む徒歩10分のところに「春日部本店」を構えている。親娘でこだわった春日部市。家族の争いの先には家具店やホームセンターなどが立ち並ぶ激戦区が待ち受けていた。それを「老朽化」という否応なしの事実が閉店の決断を後押ししたようだ。

大塚家具は店舗規模の最適化を進め、固定費の削減計画を打ち出している。今年に入り、すでに2月28日にLSS名古屋駅前、4月8日には名古屋星崎ショールームを閉店し、5月27日に春日部ショールームの閉店を決定した。
その一方で、3月17日に港区南青山に輸入高級家具を扱うフラッグシップショップ「Poltrona Frau Tokyo Aoyama(ポルトローナ・フラウ東京青山)」をオープンしたばかりで、今後は小型店や専門店の多店舗展開を推進する計画だ。

大塚家具は5月に発表する2018年12月期第1四半期決算で、9四半期ぶりの当期純利益の黒字の可能性が出てきた。創業の地から離れる覚悟で取り組む店舗のスクラップ&ビルドが功を奏すか、動向が注目される。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2018年4月11日号掲載予定「取材の周辺」を再編集)

 TSR情報とは

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

個人破産、13年ぶり高水準 ~ 貸出姿勢の変化と業界を跨いだ悪循環 ~

法人破産より個人破産の動向が心配だ-。 いま、金融機関が個人破産の動向を懸念する。なかでも、物価高や地価上昇で高額の住宅を購入した結果、過剰債務を抱えた複数人世帯の動向が気になるという。

2

  • TSRデータインサイト

「鰻の成瀬」、株式譲渡を巡り対立が表面化~ 仮処分決定と株主間契約 ~

うなぎ料理専門店「鰻の成瀬」のフランチャイズ(FC)やコンサルティングなどを手掛けるフランチャイズビジネスインキュベーション(株)(TSRコード:136729983、滋賀県、以下FBI社)の周辺が騒がしい

3

  • TSRデータインサイト

キーボード「FILCO」のダイヤテック、忸怩たる破産 ~ 為替デリバティブと需要減、綱渡りの資金繰り ~

パソコン用キーボード「FILCO(フィルコ)」で知られあるダイヤテック(株)(TSRコード:292026617、東京都)が負債2億円あまりを抱えて4月30日、破産開始決定を受けた。

4

  • TSRデータインサイト

2026年1-5月の「飲食業」倒産 過去最多の411件 飲食業の苦境浮き彫り、「人件費高騰」が6.6倍に急増

2026年1-5月の「飲食業」倒産は、411件(前年同期比2.2%増)だった。同期間では、1997年以降の30年間で最多だった2024年の408件を超え、最多件数を更新した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年5月の「人手不足」倒産 5月最多の37件 「人件費高騰」が2.4倍増、「従業員退職」も増加

2026年5月の「人手不足」倒産は37件(前年同月比60.8%増)で、2カ月ぶりに前年同月を上回った。 5月では2024年の28件を上回り、調査を開始した2013年以降、最多を更新した。

TOPへ