• TSRデータインサイト

Xアイコン
facebookアイコン

ゴルフスタジアム問題、被害者の会が「債務不存在の確認」を求め提訴

 7月6日、「ゴルフスタジアム被害者を守る会(以下、被害者の会)」の弁護団が都内で会見し、東京地裁にレッスンプロらの債務不存在の確認を求め、信販会社に集団訴訟を起こしたことを明らかにした。
(株)ゴルフスタジアム(TSR企業コード:296139424、、東京都豊島区、登記上:東京都港区、堀新社長、以下:ゴルフ社)は、レッスンプロらに「スイング解析ソフト」を信販会社経由で販売する一方で、無料で作成を請け負ったホームページへの広告料を支払う契約を結んでいた。契約の際、ソフト代金は広告代金で相殺され、「実質無料になる」などと説明していた。
しかし、ゴルフ社は今年の2月末に資金繰り悪化を理由に広告料の支払いが突然滞り、レッスンプロらは総額40億円とみられるソフト代の残債を抱えることとなった。
このため、レッスンプロらが被害者の会を発足させ、6月27日に18名が東京地裁にゴルフ社の第三者破産を申し立てていた。

「債務不存在の確認」を求める集団提訴

 被害者の会の代理である西村國彦弁護士は、7月6日付で東京地裁に原告232名、総額8億円の集団提訴に踏み切ったことを明らかにした。
西村弁護士は、信販会社がゴルフ社と一体になって被害拡大を助長した責任があることを指摘。特に以下の2点を問題視している。
1点目は、信販契約はゴルフ社の一時的な運転資金の獲得を目的としており、無価値な商品の信販契約がなされ、分割金支払いをゴルフ社が負担するキャッシュバックスキームとなっている。
2点目は、「営業用」商品の購入は割賦販売法の適用除外となるが、レッスンプロらは利用意思がなく、「営業用」にあたらない。

弁護団では、キャッシュバックスキームは公序良俗に反し、2点目の割賦販売法による保護規定(クーリング・オフや不実告知があったことによる契約取り消し)が適用されるべきと主張している。

提訴の広がりとゴルフ社の動向

 弁護団は、さらに各信販会社へ数百名の集団提訴に踏み切る方針を示した。また、警視庁捜査二課へゴルフ社は詐欺の疑いがあるとして、事前相談していることも明かした。
一連の訴訟や第三者破産を申し立てられたことで、ゴルフ社は重大局面を迎えている。
7月19日、ゴルフ社の第三者破産申し立てについて、東京地裁が審尋を行う。そこに堀社長が出席するのか。出席した場合、どう主張を展開するのか。約600名の「被害者の会」の声がどこまで届くか注目される。

「スイング解析ソフト」販売のスキーム

「スイング解析ソフト」販売のスキーム

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2017年7月10日号に掲載予定の記事を転載)

 TSR情報とは

Xアイコン
facebookアイコン

人気記事ランキング

ランキング1位
  • TSRデータインサイト

「最低賃金」改定で、51.3%の企業が「給与変更」 2020年代の1,500円 「対応不可能」が4割切る

厚生労働省は9月3日、2026年度の全国の最低賃金額(平均)を1,177円(56円増)に引き上げた。 1978年度に目安制度が始まって以降、平均引き上げ額56円は前年度に続き2番目の高さで、これを受けて給与改定を迫られる企業が半数に達することがわかった。

2

  • TSRデータインサイト

1-9月「医療機関」倒産 過去最多の59件 身近なクリニック、歯科医院で苦境が鮮明

医療機関の倒産が再び勢いを増している。2026年1月-9月に倒産した病院・クリニック(診療所)・歯科医院などの「医療機関」は59件(前年同期比28.2%増)と、過去最多を更新した。

3

  • TSRデータインサイト

「税金滞納」倒産が168件、前年同期の2倍に大幅増 2026年度上半期の「税金滞納」倒産 破産が97.6%

2026年度上半期(4-9月)の「税金滞納(社会保険を含む)」倒産は、168件(前年同期比100.0%増)と、前年同期の2倍に達し、この10年で最多を記録した。物価や人件費などのコストアップが企業収益を圧迫し、納税原資を確保できない小・零細企業の行き詰まりに拍車を掛けている。

4

  • TSRデータインサイト

「社会保険の適用拡大」 中小・零細企業ほど負担増 企業の44.9%が「働き控え」懸念、「未対応」も半数

2026年10月から非正規従業員にも社会保険の適用が拡大された。「月収8万8,000円以上」の賃金要件が撤廃され給与額に関わらず条件を満たす社員は、新たに厚生年金や健康保険の加入対象となる。10月1~8日企業を対象に「社会保険適用の基準変更」に関するアンケート調査を実施した。

5

  • TSRデータインサイト

2026年1-9月「デイサービス」倒産47件 同期間で過去最多、介護業界の苦境鮮明

デイサービスなど「通所・短期入所介護事業」の倒産が増加している。2026年は9月までに47件(前年同期比34.2%増)と大幅に増加し、1-9月で過去最多を更新した。多様化するサービスなど、他社との競争が激化するほか、物価高に人手不足も重なり、苦境が深まっている。

TOPへ