• TSRデータインサイト

上場企業「役員報酬 1億円以上開示企業」調査 歴代最高額を更新

 6月22日、情報・通信大手ソフトバンクグループ(株)(東証1部、東京都港区)の有価証券報告書が提出された。6月22日付で退任したニケシュ・アローラ元代表取締役副社長の2016年3月期の役員報酬額が64億7,800万円で、歴代の最高役員報酬額を更新した。今まで役員報酬の最高額はオリックス(株)の(東証1部)宮内義彦シニア・チェアマン(2015年3月期54億7,000万円)だったが、その役員報酬額を10億800万円上回った。
 ニケシュ・アローラ元副社長は、2014年9月にソフトバンクグループのバイスチェアマン、2015年6月には代表取締役副社長に就任した。孫社長の後継者として2015年3月期には契約金などを含め報酬額165億5,600万円を受け取り話題となった(当時、取締役でなかったためランキング対象外)。
 同氏の2016年3月期の役員報酬内訳は、基本報酬9億5,500万円、賞与36億3,600万円、株式報酬18億8,700万円。
 ソフトバンクグループ(役員報酬額9,900万円)のほか、連結子会社のSB Group US,Inc.(同63億5,200万円)、Sprint Corporation(同2,700万円)からの報酬だった。なお、その他に2015年4月1日からソフトバンクグループの取締役に就任するまでの期間に主要な子会社からの役員報酬15億6,400万円を受け取った。
 ソフトバンクグループは情報・通信大手の1社。日本およびアメリカで携帯電話事業を行うほか、ブロードバンドサービスなどを手掛けている。2016年3月期連結決算は売上高は9兆1,535億円(前年同期8兆5,041億円)、純利益は5,582億円(同7,636億円)だった。


  • 2010年3月期決算から報酬等の総額、報酬等の種類別の総額を有価証券報告書に記載することが義務付けられた。

役員報酬歴代ランキング

人気記事ランキング

  • TSRデータインサイト

建材販売業の倒産 コロナ禍の2倍のハイペース コスト増や在庫の高値掴みで小規模企業に集中

木材や鉄鋼製品などの建材販売業の倒産が、ジワリと増えてきた。2025年1-7月の倒産は93件で、前年同期(75件)から2割(24.0%)増加した。2年連続の増加で、コロナ禍の資金繰り支援策で倒産が抑制された2021-2023年同期に比べると約2倍のハイペースをたどっている。

2

  • TSRデータインサイト

「転勤」で従業員退職、大企業の38.0%が経験 柔軟な転勤制度の導入 全企業の約1割止まり

異動や出向などに伴う「転勤」を理由にした退職を、直近3年で企業の30.1%が経験していることがわかった。大企業では38.0%と異動範囲が全国に及ぶほど高くなっている。

3

  • TSRデータインサイト

女性初の地銀頭取、高知銀行・河合祐子頭取インタビュー ~「外国人材の活用」、「海外販路開拓支援」でアジア諸国との連携を強化~

ことし6月、高知銀行(本店・高知市)の新しい頭取に河合祐子氏が就任した。全国の地方銀行で女性の頭取就任は初めてで、大きな話題となった。 異色のキャリアを経て、高知銀行頭取に就任した河合頭取にインタビューした。

4

  • TSRデータインサイト

ダイヤモンドグループ、複数先への債務不履行~蔑ろにされた「地域イベントの想い」 ~

ライブやフェスティバルなどの企画やチケット販売を手掛けるダイヤモンドグループ(株)(TSRコード:298291827、東京都、以下ダイヤモンドG)の周辺が騒がしい。

5

  • TSRデータインサイト

2025年1-8月の「人手不足」倒産が237件 8月は“賃上げ疲れ“で、「人件費高騰」が2.7倍増

2025年8月の「人手不足」が一因の倒産は22件(前年同月比37.5%増)で、8月では初めて20件台に乗せた。1-8月累計は237件(前年同期比21.5%増)に達し、2024年(1-12月)の292件を上回り、年間で初めて300件台に乗せる勢いで推移している。

TOPへ