「円安」関連倒産(3月、2015年度)
2016年3月のドル円相場は、3月17日に海外市場において一時1ドル=110円67銭を付けた。これは日銀が追加金融緩和に踏み切った2014年10月31日以来、約1年4カ月ぶりの円高・ドル安水準になった。その後も円相場は、1ドル=111円から113円台で推移し、2016年3月の「円安」関連倒産は、14件(前年同月17件)になった。
この結果、2015年度(2015年4月-2016年3月)の関連倒産の累計は145件(前年度比44.2%減、前年度260件)で、前年度より4割減少した。原油安によるガソリンなど石油関連商品の価格下落や、中国などの景気減速から鉄鉱石など資源価格が低下し、円安が必ずしもコスト高に直結しなかったことが影響したとみられる。
1-3月の産業別、卸売業が4割増
2016年1-3月の「円安」関連倒産は37件(前年同期比13.9%減、前年同期43件)だったが、産業別では、卸売業が前年同期比46.6%増(15→22件)と上回って推移している。今後も輸入品や海外からの原材料などを扱う企業の動向が注目される。