「円安」関連倒産 2015年累計は151件
2015年のドル円相場は、6月に東京外国為替市場で2002年12月以来12年半ぶりに一時、1ドル=125円台をつけて円安が進行した。その後は一服をみせたが、8月に入って中国経済の減速懸念から金融市場が動揺し、ニューヨーク外国為替市場では1ドル=116円台まで円が一転して急上昇するなど不安定さを強めた。12月のドル円相場は、後半からは狭いレンジで推移し、概ね1ドル=120円台で推移して1年を終えた。
2015年12月の「円安」関連倒産は8件(前年同月22件)にとどまり、9カ月連続で前年同月を下回った。年末にかけてガソリン価格の下落が目立ち、さらに中国経済の減速や過剰生産を背景に、鋼材関連を中心に資材価格も低下するなど、円安が必ずしもコスト高に直結しない面もみられ、経営環境は変動している。
2015年の産業別、卸売業が約5割増
2015年(1-12月)の「円安」関連倒産は151件(前年比46.4%減、前年282件)にとどまった。ただし産業別では、運輸業が前年比86.0%減(100→14件)と減少が顕著だった一方で、卸売業が同50.0%増(50→75件)と増加が際立った。今後も輸入品や海外からの原材料などを扱う企業の動向が注目される。